故郷に完成した銅像を披露した加山雄三さん=11日、神奈川県茅ヶ崎市(石井健撮影)

歌手で俳優の加山雄三さん(87)の銅像が、出身地の神奈川県茅ヶ崎市役所前広場に建立され、加山さんの誕生日である11日、加山さんも出席して除幕式が行われた。

茅ヶ崎商工会議所が「湘南サウンド」を後世に残し、同市を「音楽のまち」として発展させようと取り組んでいるプロジェクトの一環で、1500万円をクラウドファンディング(CF)で集めた。

加山さんは日本のシンガー・ソングライターの草分けで、エレキギター奏者としても日本の音楽界に多大な影響を与えた。湘南の海などを題材とした楽曲も多数作り、ワイルド・ワンズやサザンオールスターズに続く「湘南サウンド」を確立した。

披露された銅像は、実際の加山さんより一回り大きい190センチ。加山さんの希望で金色に輝き、80センチの台座の上で左手でエレキギターを支えて立っている。

式典にはファンやCFの支援者ら約3000人が駆けつけた。茅ヶ崎市の主婦(82)は「加山さんを、こんなに近くで拝見したのは初めてですが、貫禄があって立派。お元気そうでなにより」とほほ笑んだ。

四方から「若大将!」などの掛け声がかかり、加山さんはこれに手を振って応え、「こんなに感激した誕生日は初めてだ。幸せだなあといわせてくれ」と笑顔で語った。

加山さんは昨年、名誉市民に選ばれており、名誉市民証も贈呈された。さらにこの日、加山さんは、著書「俺は100歳まで生きると決めた」(新潮社)も発売した。(石井健)