12日、北海道などでオーロラが観測されました。オーロラというと緑のイメージがありますが、赤のオーロラもあり、空が赤紫色に染まるオーロラを「低緯度オーロラ」といいます。太陽の表面で起こる爆発「太陽フレア」が連続して発生した影響で、北海道を中心に観測されました。
   
福井ではオーロラは遠い存在と思われていましたが、11日、県内でもオーロラが見られました。取材すると、江戸時代にも同じようなオーロラが目撃されていることがわかりました。
  
北海道で11日夜に撮影された映像では、星が輝く中、夜空がうっすらと赤紫色に染まっています。北海道で低緯度オーロラが観測されるのは、2023年12月以来のことでした。神秘的な天体ショーを一目見ようと、多くの人がカメラを空に向けます。また、石川県でもオーロラが見られました。石川の能登で観測されたのは21年ぶりということです。
 
そしてオーロラは福井県内でも。福井市のアマチュア写真家・吉田直哉さんが、坂井市三国町安島の雄島近くで撮影しました。写真では、日本海の上の星空の一部がピンク色に染まっています。撮影当時、空は真っ暗だったそうです。

アマチュア写真家・吉田直哉さん:
「肉眼でオーロラとは全く分からない。福井でオーロラが見られるのはすごいこと。写真が撮れたのは、アマチュア写真家として興奮した」
 
写真には、白い線のようなものが映り込んでいまいした。吉田さんは「おそらく流れ星ではないか。ピンクがオーロラの領域。肉眼では分からないが、写真にすると分かるのが不思議」と話します。
  
また、オーロラは嶺南でも見られました。若狭町の水月湖で、立命館大学・山田圭太郎助教授が撮影に成功しました。

立命館大学・山田圭太郎助教授:
「今回、数十年に1度、100年で数番目に強い宇宙線がでる宇宙イベント。この日にオーロラが見られると予想されていたので、ぜひ湖と一緒に撮りたかった」
 
実は、いまから250年前、江戸時代にも県内で目撃されていて、それが資料として残っています。資料には、1770年に福井城下で観察された赤いオーロラと見られる記述があります。「夕方頃から北の方の天がいっぺんに紅のように明るくなった。紅の中に青白い縦線が出てきた。オーロラのカーテンのようなものが見えた」などと、当時の様子が細かく記されています。
 
福井市のセーレンプラネットによると、オーロラが良く見えるのは、高い緯度60度~70度、北半球でいうとカナダやアイスランドなどで、高度によって色が変わり、高度が低い場所が緑のオーロラ、高い場所には赤いオーロラが出るということです。日本からオーロラを見ると、緑の部分は地平線に隠れて見えませんが、高度が高い場所で発生する赤のオーロラは見られるというわけです。日本のような低い緯度でも見られる赤いオーロラが「低緯度オーロラ」です。
 
この先も県内でオーロラが見られるかどうかは太陽の動きが関わってきます。セーレンプラネットによると、太陽の活動も今後、今回のようにいつ活発になるか、長期的な予測は難しいということです。          

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