岸田首相は1日午前、OECD=経済協力開発機構の会合が開かれるフランスと、ブラジル、パラグアイの3カ国を訪問するため、羽田空港を出発した。

岸田首相は出発にあたって、「日本は自由で公正な経済秩序を構築し、強化する取り組みを主導していくことを訴えたい。合わせて生成AIに関する国際的課題に関する議論を推進したい」と述べたほか、ブラジル・パラグアイなど南米との関係強化に意欲を示した

岸田首相はOECDの閣僚理事会が開かれるパリでは、議長国として基調演説を行うほか、生成AIの活用と規制の両立に向け、ルールづくりを議論する国際的な枠組みの創設を表明する。

また、マクロン大統領らとの会談では、漫画「ドラゴンボール」のグッズを贈る見通し。マクロン氏はドラゴンボール好きで、作者の鳥山明さんが死去した際には、サイン入りのイラストをSNSに投稿し追悼していた。

岸田首相はブラジル訪問では、日本の首相として10年ぶりとなる中南米政策のスピーチを行う。この中では「道のり」をキーワードとして、「グローバルサウス」と呼ばれる新興国との連携強化も図る。またパラグアイは台湾と外交関係を維持しており、首脳会談では中国・台湾関係についても意見交換するとみられる。

グローバルサウスとの連携は中国も力を入れており、岸田首相は今回の南米訪問を通じ日本の存在感をアピールしたい考えだ。

衆院の補欠選挙で自民党が全敗するなど、国内で苦しい状況が続く岸田首相が、得意の外交で挽回できるかも注目される。