記者団の取材に応じる自民党の長谷川岳参院議員=12日午前、国会内

自民党の長谷川岳参院議員(北海道選挙区)が12日、国会内で記者団の取材に応じ、北海道や札幌市の職員への威圧的な言動が問題視されていることについて「無自覚だった。汚点を教訓にして、自分自身の表現方法を変えていく。表現方法を政治活動で最優先事項にしていかないといけない」と釈明し、議員活動を続けていく考えを示した。。

出張は妥当

長谷川氏を巡っては、北海道が令和5年度の1年間で62回、札幌市は26回にわたって東京などに幹部職員が出張し、長谷川氏の要求に対応していたことが判明している。

長谷川氏は道幹部職員らの出張について「やり方は妥当だったと思う」と述べた上で「(道幹部の62回の出張は)ほかの国会議員(との面会)も含めた回数だ。単独で私の所に来た数字は16回。緊急を要する場合も含む」と述べた。「緊急を要する場合」には昨年夏以降の中国によるホタテなどの日本産水産物の禁輸措置への対応などを挙げた。

長谷川氏の言動に関して、札幌市の秋元克広市長が10日の記者会見で「厳しい言葉で萎縮した職員が複数確認された」と述べている。長谷川氏は「本当に申し訳なかった」と謝罪した。

「パワハラの権化」の指摘

また道幹部ら以外にも官公庁の職員に対する威圧的な態度も指摘されている。ある省庁幹部の1人は産経新聞の取材に「長谷川氏はパワハラの権化のような人。長谷川氏の事務所に政策の説明のため訪れた職員に対して『なぜ課長が来るのか。俺のところに来るのは少なくとも局長級以上だ』といって部屋から追い出していた」と漏らす。

長谷川氏は「自分の表現を365日、24時間改めていく。これだけ指摘されて、自分も無自覚だったことを恥じている。汚点を教訓にして表現方法を変えていく」と述べ、「国会議員になって、地域を意識してぶれずに活動してきた。今回の出張も含めて地域の課題を解決するためだということは間違いない」と強調した。(奥原慎平)