OECD(経済協力開発機構)の議長国として、フランスを訪問中の岸田首相は、生成AIに関連する会合で、「偽情報のリスクといった影の側面とも戦わなければならない」と述べ、ルール作りを議論する国際的な枠組みの創設を表明した。

岸田首相「AIは、人類全体に影響を及ぼす革新的技術であり、多くの国が共通の認識を持つことが重要」

会合で「生成AIは光の側面だけではない」として「偽情報のリスクといった影の側面」も指摘した岸田首相は、新たな国際的な枠組み「広島AIプロセス・フレンズグループ」を立ち上げたと発表した。

OECD加盟国を中心に約50の国と地域が参加し、生成AIをめぐるルールづくりについて議論する。

その後、閣僚理事会の開会式で議長国として基調演説を行い、「自由で公正な経済秩序」の重要性を強調したうえで、中南米や東南アジアなどの諸国が「加盟への道のりを進んでいることを歓迎する」と述べた。

岸田首相「日本は数少ないアジアの加盟国として、OECDとアジア地域の架け橋となる」

現在は、マクロン大統領との首脳会談に臨んでいる。

安全保障分野では、自衛隊とフランス軍の共同訓練を実施しやすくする「円滑化協定」の締結に向けた交渉に入ることを確認するとともに、軍事的に台頭する中国を含む、東アジア情勢についても意見を交わしているものとみられる。