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<「大切な20人」のリストや、仕事上の付き合いであれば「師を1~2人、同等の人を2~3人、後輩を1~2人」のリスト。80対20の法則を人生哲学として使うコツは?>

「利益の80%は、顧客の20%がもたらす」「仕事の成果の80%は、費やした時間の20%から生まれる」――有名な「80対20の法則」だが、実はビジネスや仕事にだけ役立つものではない。

時間管理や、人付き合いにおいても「最小限の努力で、最大限の成果を上げる」ことができるのだという。

36の言語に翻訳され、世界で数百万人に読まれてきた『人生を変える80対20の法則』の最新版である、『増補リニューアル版 人生を変える80対20の法則』(リチャード・コッチ著、仁平和夫・高遠裕子翻訳、CCCメディアハウス)。本書から一部を抜粋し、3回にわたって紹介していく。

2回目となる今回は、「人付き合い」について。人間関係を見直したい場合、どうすればいいだろうか。

※抜粋第1回:100年以上前に発見された「タイパ」の極意...「時間の20%を有効に使え」
※抜粋第3回:毎日を幸福に過ごす7つの習慣の1つ目が「運動」である理由

◇ ◇ ◇

人間関係と80対20の法則に、一体どんな関係があるというのか。関係は大ありだ。

質と量はトレードオフの関係にあるが(高い質を求めれば量は減らさざるをえず、量を増やそうとすれば質は落ちる)、われわれはいちばん大切なものを十分に育んでいるとは言い難い。

80対20の法則から、3つの刺激的な仮説が立てられる。

・人間関係の価値の80%は、20%の関係からもたらされる。

・人間関係の価値の80%は、人生の早い段階で結ぶ親密な関係の20%からもたらされる。

・価値の80%をもたらしてくれる20%の人間関係に向ける関心は、80%に到底及ばない。

大切な20人のリストをつくる

この段階では、友人や恋人など、自分が大切だと思う人を20人書き出し、重要度の順位をつけてみる。

ここでの「重要度」とは、人間関係の深さと近さであり、その関係にどれだけ助けられたか、その関係でどれだけ自分らしくいられるかを指す。以下を読むまえに、このリストを作成してもらいたい。

(中略)

次に、持ち点を100点とし、重要度に応じて点数を割り振っていく。たとえば、1位の人が、2位以下の19人をすべて合わせたくらい重要だとすれば、1位に50点をつける。合計が100点になるようにするには、割り振った点を何度か調整する必要があるかもしれない。

どういうリストが出来上がるかは、人それぞれだろうが、だいたい80対20の法則にそったものになる。上位4人(20%)に得点が集中する(80%程度)。

そして、ある順位の人と、その1つ下の順位の人の間には、つねに同じような関係が認められる。たとえば、2位の人の重要度は1位の3分の2から半分になり、3位の人の重要度は2位の3分の2から半分になる。仮に半分になるとすると、6位の人の重要度は1位の3%程度にしかならない!

次に、一人ひとりについて、一緒にどれだけの時間を過ごしているかを書き出してみる(ただし、テレビや映画を見るなど、相手に関心が向いていない場合は除く)。

一緒に過ごす時間についても、持ち点を100点として、それを20人に割り振ってみる。「人間関係の価値」の80%を占める数少ない大切な人と過ごしている時間が、全体の時間の80%よりずっと少ないことに気づくはずだ。

何をすべきかは明白だ。量より質を重視することだ。大切な人との関係を強め、深めるために、時間と精力を使うべきだ。

だが、もう一つ問題がある。人間関係は年齢に応じて変わってくるものだし、ほんとうに親しい関係を結ぶには限りがある。ここでもまた、質と量がトレードオフの関係にあることに注意してほしい。

(中略)

若いうちは、味方の選択に十分注意を払う

仕事上の大切な付き合いを考える際には、6人から7人までを目安にして、その配分を次のように考えるのがよい。

・目上の人、師と仰ぐ人を1人か2人
・同等に付き合う人を2人か3人
・後輩として面倒をみる人を1人か2人

師(メンター)との関係

師と仰ぐ人を慎重に1人か2人選ぶことだ。相手から弟子として選ばれてはいけない。そうすると、もっとよい師に出会えるチャンスが失われかねないからだ。師として選ぶ人は、次の2つの条件を備えていなければならない。

・先の「5つの条件」に合うこと。つまり、気が合い、経験を共有し、尊敬でき、ギブ・アンド・テイクの関係を結ぶことができ、信頼できる人。

・できれば年上のほうがいい。年下の場合は、将来の成功が約束されている人を選ぶ。ずば抜けた能力があり、志が高い人が理想的な師となる。

師弟関係というのは、必然的に弟子のほうがたくさん教えられることになるので、ギブ・アンド・テイクの関係というのは奇妙に思えるかもしれない。だが、師のほうにも得るものがなければ、師は弟子に対する関心を失う。

弟子は、斬新なアイデア、精神的な刺激、熱意、勤勉、新技術の知識など、師にとって何らかの価値があるものを提供しなければならない。聡明な師は時代から取り残されないために、高い地位からはみえにくい新しいトレンドやチャンスや脅威を弟子から教えてもらう。


『増補リニューアル版 人生を変える80対20の法則』
 リチャード・コッチ 著
 仁平和夫・高遠裕子 翻訳
 CCCメディアハウス

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※抜粋第1回:100年以上前に発見された「タイパ」の極意...「時間の20%を有効に使え」
※抜粋第3回:毎日を幸福に過ごす7つの習慣の1つ目が「運動」である理由

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