北海道紋別市のホテルオホーツクパレスで26日から繰り広げられた第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の第5局は27日、藤井聡太名人(21)が挑戦者の豊島将之九段(34)を降し、対戦成績4勝1敗で初防衛を果たした。タイトル戦は負けなしの22連覇で自身が持つ最長記録を更新し、全8冠を堅持した。
両者のタイトル戦は5度目で、豊島九段は5期ぶりの名人復位を目指した。昨年からAI(人工知能)を使った研究の比重を減らし、戦法の幅を広げた挑戦者の戦いぶりが注目されたシリーズだった。
AI研究が終盤まで進む角換わり戦は現れず、第4局でカド番をしのいだ豊島九段は第5局で四間飛車に振り、名人戦では13年ぶりの対抗形の戦いになった。藤井名人は対抗形で度々採用する穴熊に囲い、危なげなく押し切った。
一方、名人戦と並行して伊藤匠七段(21)の挑戦を受けている第9期叡王戦五番勝負(不二家主催)は第3局を終わって1勝2敗とカド番に追い込まれている。31日にある第4局に敗れると、昨年10月に達成した全冠制覇が初めて崩れる。【新土居仁昌、丸山進】
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