お笑いコンビ・リップサービス(金城晋也・榎森耕助)が沖縄県内4カ所を巡る単独ライブツアー「FULLHOUSE」が、6月1日の那覇市ぶんかテンブス館テンブスホールを皮切りにスタートする。2021年に独立してから初となる単独ライブで、漫才・コント共にオール新作をそろえる。本島内2カ所と宮古島市、石垣市を巡る今回のツアー。石垣市出身の金城は5年ぶりの地元ライブに「恩返しと言えば大げさですが、これまでの活動をしっかり見せたい」と話し、榎森は「良いライブを見た後は、サウナに入った後のような爽快感がある。それを味わいに来てほしいし、そのために頑張ります」と自信をのぞかせている。(文・写真=ライター・長濱良起)
-「単独ライブ」ではなく、なぜ県内4カ所を巡る「単独ライブツアー」にしようと決めたのですか?
金城 一つのライブをパッケージとして作り上げるのって大変なんですが、1回だけやって終わるのがもったいなくて。せっかくならいろいろな場所でやりたいなという気持ちが最初です。
榎森 沖縄のお笑い界も若い人が減ってきていて、そういう意味では高齢化しているので、頑張らないといけない時期に差しかかっています。僕らにできるチャレンジの一環でもあります。
金城晋也 -宮古、石垣の離島でも開催しますね。
金城 出身地の石垣でのライブは、恥ずかしくもあるんですよ(笑)。 石垣で育った18年間は、お笑い芸人みたいなことをしてきていないので。でも、地元で応援してくれている人がいっぱいいるんだ、と立ち返りたいです。久しぶりに会える人もいて楽しみです。
榎森 石垣の集客に失敗したら晋也の人望のせいですよね。
金城 石垣にいる親に頑張ってもらうしかない。
榎森 宮古でやるのは初めてなので「超チャレンジ」です。本島中部の方の中には「那覇が遠い」って思う人もいるはずなので、沖縄市でもやろうと。
榎森耕助-スポンサーも多く集まっていますね。
榎森 長く沖縄に住んでいたら、友達が助けてくれました。沖縄でバーを経営している芸人にも声をかけたんですけど、ありんくりんのクリスにだけは、小さなプライドが邪魔してお願いできませんでした(笑)。 他事務所の売れてる後輩に頭を下げて「1万円ちょうだい」とは言えずに。
-イベントのフライヤーもかわいらしいし楽しげですね。
榎森 アートワークは、Shu Ashimine(粒マスタード安次嶺)さんにお願いしました。間違いなく良いものに仕上げてくれるし、良い人だから打ち合わせもやりやすいんですよ。
金城 イベント名の「FULLHOUSE」が満員御礼という意味なので、絵柄では僕が客寄せパンダ、榎森が招き猫になっています。
-普段のネタ作りはどのように進めていますか?
榎森 今はもう、ほぼ相方が作っています。
金城 日常の中で引っかかったことを書き留めておいて、それを一番面白く入れ込めそうな形を作っています。自分がわくわくするか、僕らがやったら面白くなるか、という点を大切にしています。ネタは、机に向かってしっかり作るタイプです。糸満のコメダ珈琲店によくいます(笑)。
榎森 晋也は目の付け所が独特だと思います。どこか作家気質もあって。ネタを書いてくれる相方でラッキーです(笑)。
-リップサービスと、榎森さん扮(ふん)する「せやろがいおじさん」の時とでは線引きなどがありますか?
榎森 せやろがいをやる前は、表現する場がリップサービスしかなかったので、僕と相方の世界観のズレで衝突もあったんですが、今は、リップサービスは晋也の世界観、せやろがいは自分の世界観で住み分けてやっています。
-お二人は沖縄国際大学日本文化学科の出身ですが、ことばを扱うことにもともと関心があったんですか?
金城 好きですね。高校の時に「国語表現」っていう授業があって、エッセーとか書いてたんですけど、それがめっちゃ楽しかったです。読む方より書く方が好きで、文章で表現するのは楽しいなと思っていました。
榎森 沖縄に住んでみたいという漠然とした憧れで、大学から沖縄に来ました。奈良という海なし県の人が一度は抱く憧れです。もともとバスケの指導者になりたくて、そのためには教員になろう、という考えでした。全部成績悪かったんですけど、国語だけは良かったんですよ。国語の感覚を先生に褒められて。
-事務所から独立してフリーとなって、活動に変化はありましたか?
金城 独立してからはコロナ禍が長かったので、これからかなという感じです。もしかしたら、いろんなネタを舞台で試せるようになったかもしれません。芸人がたくさん出る事務所ライブで出番が大トリだと、絶対にスベれないので手堅くいかないといけない局面もあったんですけど、今だからこそのネタもできるようになりました。
リップサービスの金城晋也(左)と榎森耕助=5月14日、那覇市内-単独ライブツアーへの呼びかけの言葉、お願いします!
榎森 これは全部の取材で言ってますけど、県内の賞レース4連覇して、俺らぐらい実績残している芸人いませんよ、と(笑)。 沖縄の生のお笑いの良さをどっかに見に行ってみようかなと思えるなら、俺らで今は間違いないんじゃないですか!?
金城 サブスク全盛の時代に、大変かとは思いますが会場まで足を運んでいただいて、生のライブを一度見てほしいです。会場の空気感、演者がめっちゃ汗かいている感じ、爆笑が連なっていく感じ、すべって目が泳いでいる感じも全部含めて、空間全てを楽しんでほしいです。
リップサービス単独ツアー2024
「FULLHOUSE」
【那覇】6月1日 那覇市ぶんかテンブス館テンブスホール
【石垣】6月15日 石垣市民会館中ホール
【宮古島】6月29日 未来創造センター
【沖縄市】7月20日 沖縄市民小劇場あしびなー
開場18:30 開演19:00
料金2500円(学生1500円)
問い合わせ:lip@sity.love / 070-8969-2873
リップサービスウェブサイト
https://sity.love/lipservice/#
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