富山県出身の俳優で作家の室井滋さんの絵本「タケシのせかい」(アリス館、税込み1650円)が完成し、お披露目の記者会見が5日、県庁であった。自分らしさに思いをめぐらせたくなる内容で、室井さんは「幸せって何なんだろう、人を認めるって何なんだろうって考えるコミュニケーションになればいい」と話した。
絵本のテーマは「ウェルビーイング」。体も心も社会的にも満たされ、自分らしく、いきいきと生きるという意味だ。推進する県の担当者が昨年、子どもたちに多様性などを伝える絵本作りを室井さんに相談したところ引き受けてくれた。
絵は、人気絵本画家の長谷川義史さん。2011年に共作して以来、コンビでの11作目となる。小学生の主人公タケシが、パパの部屋に入って秘密の箱を開け、みんなが違っていることが素敵なことだと理解していくおはなしだ。室井さんは、「自分が嫌いなものが、みんなも嫌いとは限らない。認めてあげたり、大好きと胸を張って言ってあげられたりするのがいいと思う」と語る。
発売は6月中旬以降。初版のうち約3千冊は2人の富山弁・大阪弁での会話のオリジナル帯で、物語を読んだ後に自分の気持ちを整理するワークシートが入っている。県内の図書館や小学校や保育所などに配布もするという。(朝倉義統)
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