海賊版対策を進める団体「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」は10日、日本で出版されている37の辞書のデータを無許可で提供していた中国の海賊版サイトの閉鎖を確認した、と発表した。
CODAによると、サイト名は「Sora」。サイト上の検索欄に単語を入力すると、複数の日本語辞書の内容から意味や用法が表示され、無料で閲覧できたという。朝日新聞が確認したところ、「広辞苑」や「大辞林」などのデータが公開されていた。
辞書を発行する出版社がサイトの情報開示請求をしたところ、運営者とみられる男が中国在住と判明。CODAの北京事務所が3月に男の住む南京市の公安局に苦情を申し立て、同局が、著作権侵害にあたるとして警告や指導をしていた。男は事情聴取に対し繰り返し運営を否認していたが、4月25日にサイトの閉鎖が確認されたという。
引き続きアクセスできるサイトの掲示板には、「管理人」の名前で「残念ながら、不可抗力によりまして、当サービス及びサイトは閉鎖することにしてしまいました。今後も復旧するつもりはありません」との投稿があったほか、「日本語のアクセントを調べたり、複数の辞書の解釈を対照したりして、使わせていただきました」「後期高齢者で漢字パズルの愛好者です。このサイトのお陰で難問でも回答出来ましたが、今後どうしようか考え中です」など、利用者とみられる書き込みもあった。
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