鳥取市の「ナマズ食」の文化について研究する大学教授などのグループが、これまでの成果を報告。鳥取でも古くは身近な魚として食べられていたという「ナマズ」を使った「なれずし」がお披露目されました。

ナマズの「なれずし」は、長期保存がきくようナマズを塩と米で漬けこみ、発酵させました。滋賀県の郷土食として知られる「ふなずし」のいわばナマズ版です。
作ったのは、鳥取市のナマズ食文化を郷土料理としてよみがえらせることを目指して活動している「東てい(魚編に是)人ナマズ食の会」のメンバーです。
代表は鳥取環境大学の浅川滋男教授。学生などと一緒に、2023年から「ナマズ食」について研究をスタート。これまでナマズを使って、主に燻製を作ってきましたが、滋賀県の「ふなずし」をヒントに、2024年度はナマズの「なれずし」づくりに挑戦しています。
披露された「なれずし」は、4月下旬に鳥取市内で捕獲されたナマズをつかって、約1か月かけて仕込んだもの。果たしてその味は?

学生:
「噛み応え抜群です。味はかなり酸っぱいです」

参加者:
「なんとも形容しがたい味ですけど、まずくはない。なんかチーズっぽい味。臭いはあるけど、食べるとそんなに気にならない」

鳥取環境大学・浅川教授:
「まあ、こんなもんだろうな。最初はすっぱいだけ、噛んでるとうまみが出る。合格点はあるんじゃなですか?60点は」

作野俊介記者:
「臭いはツーンときますね。歯ごたえがすごいです。酸っぱいです。噛めば噛むほど、ほのかにうまみが広がってきます。初めての経験、ちょっと、クセが強めかもしれません」

浅川教授によると、中国の歴史書で日本についての最も古い記述がある「漢書」には、倭人、日本人について「東てい(魚編に是)人」=「東のナマズ人」と記されているほか、室町時代にナマズを食べていた記録が見つかるなど、日本人にとってナマズはごく身近な食べ物だったといえるそうことです。

鳥取環境大学 浅川教授:
「奈良時代まで行くのは間違いなくて、僕は弥生時代までいくのはおかしくないと思ってて、そういう研究の一端を明らかにできるかもしれないのと、こういう伝統的な古代食を現代食の創造につなげていけないかと」

浅川教授たちのグループは今後も研究を重ね、ナマズ食を復元し、鳥取の郷土食としてナマズが加えられるよう新たな料理の開発にも取り組みたいとしています。

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