ロックバンドMrs.GREEN APPLEの新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)が、植民地主義や人種差別を想起させると批判され公開中止となった問題で、バンドの所属レコード会社「ユニバーサルミュージック」は19日、社内でMVや楽曲などに関する「チェック体制」などの見直しを進めていると、朝日新聞の取材に対して明らかにした。

 12日に公開されたMVでは、コロンブス、ナポレオン、ベートーベンとみられる人物に扮したメンバー3人が類人猿たちと楽しげに交流する一方、西洋音楽を教えたり人力車を引かせたりする場面があった。批判を受け、同社は翌13日に「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」「公開前の確認が不十分であり、皆様にご迷惑をおかけした」として公開を中止した。

 同社は取材に対して、MVや楽曲などは通常は「アーティストに紐(ひも)づくプロジェクトごとに制作物の内容の確認を行っております」と回答。公序良俗に反したり差別につながったりするかもしれないといった懸念がある場合は「社内窓口への相談が推奨されている」ものの、義務ではないとしている。

 今回のMVについて、事前に社内でどのように内容をチェックしたかについては、「個別の事例については契約上の守秘義務もある」とし、明らかにしなかった。(野城千穂)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。