世界的な建築家安藤忠雄さんが全国各地で建設し自治体などに寄付している「こども本の森」。広島市でも整備される計画が進んでいることが明らかになりました。

【広島市市民局・村上慎一郎局長】
「「こども本の森」に関して、安藤氏から広島市にも整備し寄付したいとの意向を持っていると聞いており、本市の目指す子どもの読書環境の充実を一層図ることができると考えています」

広島市は21日の市議会6月定例会で、議員の質問に答える形でこのように述べ、安藤さんの申し入れを受け入れる方向で協議を行っていると明らかにしました。

「こども本の森」は、安藤さんが「読書を通して生きる意味や建築家としての心構えを教えられた」という自身の体験から、「子どもたちが色々な本と出会い、本を読む習慣を身に付け、豊かな感性や想像力を育んでほしい」として2020年、大阪市に一つ目を建設。

その後、被災地である岩手・神戸・熊本など全国4か所に建設・寄付しています。
安藤さんはことし4月に熊本市でのオープニングセレモニーで、こんな思いを語っていました。

【建築家・安藤忠雄さん】(「こども本の森 熊本」オープニングセレモニー 4月)
「ここで本を読んでもらって10人に1人は本の好きな人ができる。世界に向けて大きな力になるような子供をつくっていかないとこの地球はやっていけません」

広島市にも整備されることになった「こども本の森」。
関係者によりますと、建設場所について安藤さんは「平和発信の観点から平和公園周辺など」を希望。
市は中央公園内で再整備計画が進む「こども図書館」の隣に「こども本の森」を建設し、完成後は2つの施設を一体的に運営する方向で協議に入っているとのことです。

市は安藤事務所と協議の上、「こども図書館」のリニューアルに合わせた2028年度の完成を目指すとしています。

(スタジオ)
子供ではないんですが、どういう施設になるのかとても楽しみです。
保井さんはどうご覧になりますか?

【コメンテーター:叡啓大学・保井俊之教授】
「楽しみですね。安藤忠雄先生は自然の光を取り入れた素敵な建築で有名な方ですが、私自身は森の対話会という光を取り込んで森で対話をして感性を引き出すということをよくやるんです。広島の「こども本の森」、光を取り込んで子供たちが平和への感性と豊かさを紡ぎ出すプロジェクトになると思うとワクワクが止まりません」

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