福田富一・栃木知事(右)からCAOの委嘱を受ける歌手の相川七瀬さん=宇都宮市の県庁昭和館で2024年4月16日、有田浩子撮影

 栃木県の福田富一知事は16日、県庁昭和館で、民俗学を学び文化財に造詣の深い、歌手の相川七瀬さん(49)に県文化財オフィサー(CAO)の委嘱状を手渡した。相川さんは「しっかり関わっていきたい」と意気込みを語った。

 県は文化財の保護・継承が危機的状況にあるとして、今年度から地域で支える仕組みづくりに着手。その一環としてCAOを新設した。相川さんには県内外への情報発信や文化財活用についてのアドバイスなど、期待しているという。

 相川さんは10年以上前から全国各地の伝統文化の継承活動に関わっている。今春、国学院大の大学院に進み、民俗学を学んでいる。2023年には栃木市の政策フェローを務めた。

 県内には国指定と県指定合わせ1300を超える文化財がある。相川さんは「どうやって生かしていくのかという目で文化財と向き合っていきたい」と述べた。

 また、クラウドファンディングの手法を用いて大学生らが県内のかやぶきの古民家を修理した記事を読んだことがあると言う。「修理の過程に関われる仕組みは面白い。そういう事例があれば行ってみたい」と話し、現場に行き、文化財を守っている人の声を聞いていく考えを示した。【有田浩子】

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