7月3日の新紙幣の発行まであと1週間となりました。岡山市の美術館では新千円札の裏面に描かれる葛飾北斎の版画が公開中で大勢の人が訪れています。
岡山市北区の岡山県立美術館では江戸時代を代表する浮世絵師、葛飾北斎と歌川広重の作品を集めた特別展が開かれています。
(平野桂子記者)
「北斎が書いた「富嶽三十六景」全46図が岡山で初めてそろった中でも、注目は新千円札の裏面に描かれる「神奈川沖浪裏」」
平均寿命40歳といわれた江戸時代に北斎が70歳を過ぎてから書いた作品で当時数千枚が刷られ、今では200枚ほどが現存すると言われていますが、1枚の値段は億がつくほど貴重なものといいます。
(訪れた人は…)
「目の当たりにすると圧倒された。ゾクゾクっとする感じ」
「案外色が暗いんだなと。イメージはもっと明るかったが、船が3隻行って帰ってしているのが近くで見られてうれしかった」
展示ではこの最高傑作ができるまで北斎が生涯、こだわりを持って挑み続けた「波」の表現への努力と鍛錬を伺うことができます。
また、「冨嶽三十六景」に先駆けて描かれヨーロッパで「ジャポニズム」という現象を生んだ北斎漫画も展示されています。
北斎漫画は絵の描き方を学ぶ「絵手本」として作られましたが、モネやゴッホなど世界中の画家にも影響を与えたと言われています。
(岡山県立美術館 鈴木恒志学芸員)
「新しく発行される千円の裏側にも起用された日本を代表する作品の1つである富嶽三十六景だが、その作品ができるまでに北斎がどんなことをやってきたのか、人生をたどる展覧会」
北斎のさまざまな画法やその生涯を学ぶと新千円札を手にした時の感動がもっと大きくなるかもしれません。
この特別展は7月7日まで岡山県立美術館で開かれています。
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