大量消費される日用品を模した立体作品を手がけ、独自の陶表現を切り開いた美術家、三島喜美代(みしま・きみよ)さんが19日、亡くなった。91歳。葬儀は近親者で営んだ。
戦後、独立美術協会に所属し、絵画を発表。1970年ごろから独学で陶制作を始め、新聞や空き缶の表面などの印刷物を転写した陶作品を手がけるように。創作を「命がけで遊ぶこと」と表現し、「ゴミ」をモチーフにした作品を多数制作。FRP(繊維強化プラスチック)や金属などを素材にし、出身の大阪市と岐阜県土岐市を拠点とした。
2021~22年、半世紀以上のキャリアを持つ世界の女性作家を特集した東京・森美術館の「アナザーエナジー展」では唯一の国内在住作家として参加。大英博物館に作品が収蔵されるなど近年、国内外で評価が高まっていた。23年、岐阜県現代陶芸美術館で美術館では初となる個展を開催。今年5月からは東京・練馬区立美術館で回顧展「三島喜美代―未来への記憶」が開催中だった。22年に毎日芸術賞を受賞した。
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