JNN・JRN系列の優れたアナウンサーに贈られる「第49回アノンシスト賞」。TBSテレビの蓮見孝之アナウンサーが「ラジオ フリートーク部門」で最優秀賞を受賞しました。
受賞内容は2023年5月20日(土)に東京・港区の赤坂サカスで行われた『ふらっと こども電話相談室』公開収録の模様で、2023年8月16日(水)に放送されたものです。
「どうしてこどもは小学校に行くの?」という質問に対し、蓮見アナは以下のように答えました。
蓮見先生:もしかしたらこの会場にいらっしゃるお父さんお母さんが同じ質問をされたらこういうふうに答えるでしょうね。「それは義務教育だから」。でも、正確に言うと義務教育っていうのは子どもが勉強しなくちゃいけない権利ではなくて、私たちパパやママが子どもが学ぶことを奪い取っちゃいけないっていう権利なんだよね。だからみんなが学校を休んだって、もう小学生おしまいってことにはなりません。行きたいときに行ってくれていいし、休みたいときには休んでいいんだよっていうのがまず大事なこと。でね、学校に関して言うと、学校ってすごくうまくできてるの。例えば、勉強は好きですか?
― 好きです。
蓮見先生:ひとりで勉強はできますか?
― できます。
蓮見先生:わあ、すごい! ひとりで勉強できるんだったら学校に行ってもできるし、おうちでワークとか自分で勉強を進めることもできるでしょう。でもね、ほかのお友だちがみんなそうかっていうとそうでもなくて、例えば学校に時間割ってあるじゃない。あれうまくできてるよね。45分おきにいろんな教科が次々と出てきて、途中でお昼休みや給食があって、遊んで、また最後にちょっと勉強して帰っていく。時間で動くっていうことが学校では学べるんだよね。最近だとチャイムがない学校ってあるんだよね。チャイムがない学校の人?
かおりおねえさん:学校にチャイムがない人? あ、結構いるんですね。いち、に、さん・・・6人。
蓮見先生:私たちのときはキンコンカンコンで教室移動だったんだけど、今はチャイムがなくても動ける子どもたちって多いんだよね。これはすごいね。だからそうやって時間とルールを守って勉強する習慣ができるのはいいことだと思います。あともうひとつ重要だと思うのは、学校に行く理由を自分で何かひとつ持っておいたほうがいいかなと思います。でね、学校に行っていいなと思うのは、いろんな人と交われることです。自分以外のたくさんのお友だちと生活することで、自分ってどんな性格なんだろうっていうのを知ることができます。おうちでお父さんお母さん、そして私、3人とか4人で暮らしていると、その人たちとの間でしか自分の性格ってわからないんです。だけど一歩外に出て違う人たちと交わることによって、私ってこんな人なんだなっていうのに気づきやすい。例えば、私はひとりで本を読むってことがすごく苦手だったの。だから夏休みの読書感想文って大っ嫌いだったのね。大嫌いだったの。だけど、学校で「音読してください」って言われたときに大きい声で読んだの。そしたら先生がめちゃくちゃ褒めてくれたの。だから、ひとりで読書するのは苦手だと思ってたんだけど、人前で文字を読むのは得意なんだって初めて思えたわけ。だから今アナウンサーをやってるの。
かおりおねえさん:えー!
蓮見先生:あと逆の意味もあるかな。自分では足が速いと思っていても、クラスの中ではそれほどでもないなって思ったりすることもあるじゃない。そうすると、足が速い子ってほかにもたくさんいるんだなって、自分以外の子を褒めるっていう習慣ができるんだよね。算数が得意な子はおうちにいると自分が得意だってことしかわからないんだけど、もし授業中にわからない子がいたら教えてあげて。そうすると自分は教えてあげることも得意なんだってわかります。集団生活において自分っていう人がどんな人なのかがわかるし、大きい声じゃ言えないんだけど、私は会社でも嫌いな人ってたくさんいるわけ。
かおりおねえさん:ふふふ。内緒だよ(笑)。
蓮見先生:だけど、仲のいい人ともお仕事するしちょっと苦手だなという人ともお仕事する。そういうときに、学校で学んだ、いろんな人とお話していろんな人と物事を決めていくっていうプロセスが、実は大人になったときにすごく生かせます。
かおりおねえさん:そうか、いろんなことをちょっとずつ勉強していく場所っていうことなんですね。
****************************
表彰式で、蓮見アナは こうコメントしました。
このような賞をいただき、ありがとうございます。私は勤続20年になりますが、残りの20年をどう過ごしていくかということを自問自答する中で、これまでブレずにやってきて良かったと思うことがひとつあります。それは「子どもとの向き合い」です。アナウンサーですので、政治・経済色々なことにアンテナを張って、ラジオで話をするということは大事なのですが、私自身は元々教員志望で、保育士資格を持っていたり、子どもと関わるお仕事がすごく好きです。
今回、たまたま出た6歳の女の子からの質問だったんですけれども、「どうして学校に行かなければいけないの?」という質問に対して、1人の親として、1人のアナウンサーとして、1人の大人としてお話することが出来たのが受賞のポイントだったと振り返っています。
『ふらっと こども電話相談室』について
『ふらっと こども電話相談室』はTBSラジオで長年親しまれた名物企画「全国こども電話相談室」(1964年~2008年)のコンセプトを受け継いだコーナーで、TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』の中で放送されています。
【担当:芸能情報ステーション】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。