演劇作品がお互いを人間として見ることを可能にすると語るヤング SANTIAGO FELIPE/GETTY IMAGES

<演劇界で最も栄誉ある「トニー賞」史上6人目の快挙を成し遂げたヤング。演劇のパワーと「黒人女性が認められる意味」を語る>

米俳優カラ・ヤングは今年、演劇界で最も栄誉あるトニー賞の記録を塗り替え、3年連続でノミネートされた初の黒人となった。3年連続は史上6人目の快挙でもある。

「3年連続ノミネートは歴史的なことだけど、公民権運動の活動家オジー・デイビスの脚本に改めて息が吹き込まれ、それが認められたことはもっと歴史的で特別だと感じる」と、ヤングは言う。


ノミネートされた舞台『パ―リー・ビクトリアス』は、デイビス脚本・主演による1961年のコメディーだ。昨年から今年にかけて、ヤングとレスリ―・オドムJr.によりブロードウェイで再演された。

「ブロードウェイでの上演から63年がたった今、この作品が評価されるのはとても重要なことだと感じる」

この脚本は「アメリカの最高傑作の1つ」で、劇場に足を運んだ多様な観客が作品を特別なものにした、とヤングは言う。

「人々が沈黙を強いられた歴史の中で、黒人女性、黒人男性、黒人キャストが自身の真実を語り、デイビスの言葉を気後れせずに語る──。なんて魅力的なのか」。

ヤングにとって、彼女を鼓舞するのは演劇のパワーだ。「舞台はお互いを人間として見ることを可能にしてくれる気がする」と語る。本誌のH・アラン・スコットが話を聞いた。

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──作品の偉大すぎるレガシーをどう受け入れた?

ものすごく緊張した。自分の手に負えないと感じる部分もあったが、「チャンスに従うだけでなく、この素晴らしい瞬間に身を任せるしかない」と言い聞かせた。

私はルビー・ディー(初演でヤングの役を演じた)を思い出させると長く言われてきた。正直、いまだに信じられない。

──あなたがルビー・ディーと比較されるなら、レスリーは確実にオジー・デイビスと比較されるでしょうね。

レスリーを簡単に説明すると、不可能を可能にしてくれる感じ。彼は多くの役割を担っているから、それを少しでも吸収できたことはうれしい。リーダーシップとは何か、俳優に何ができるか、多くのことを教えてくれた。

──3年連続のトニー賞ノミネートという偉業を成し遂げたことはどう感じている?

陳腐に聞こえるかもしれないけど、世界を変える芸術に携われることをとても幸運に感じている。


毎年、こうした役柄、女性、特に黒人女性が認められることは大きな意味があって、自分だけの評価ではないと感じるし、感謝している。

作品が評価されるのはありがたいが、脚本家や演出家、舞台製作者がいなかったら、こうした評価が実現されることはない。

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