舞台は1970年代、米マサチューセッツ州の全寮制の寄宿学校。クリスマス休暇を迎え、浮足立った生徒たちの帰省が完了。しかし、そこには取り残された者たちがいた。生徒の世話役を任されたくせ者で嫌われ者の教師ポール、その年、ベトナム戦争で息子を亡くしたばかりの食堂の料理長メアリー、そして、誰よりも帰省を楽しみにしていた少年アンガス。
偶然が重なり、クリスマスの寄宿舎に居残ることになった立場の違う3人。最初は仕方なしの会話から、少しずつお互いの悲しみと孤独に触れるうち、自然に優しさが生まれてくる。人に優しく。それが人間の根本かもしれない。あなたの人生が少しでも幸せでありますようにと、自分より相手の幸せを願うまでに関係を築き上げる3人に、平和の根本を見せてもらった気がした。(桜坂劇場・下地久美子)
◇同劇場で公開中
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