山田洋次監督の代表作の一つ「家族」(1970年公開)の上映会が6日、和歌山市の和歌山県民文化会館であり、主演の倍賞千恵子さんと山田監督の対談や倍賞さんのコンサートなどが行われた。
「家族」は山田監督が倍賞さんを同一の役の名前で起用した「民子三部作」の一つ。長崎県から北海道の開拓地へ移動する家族の試練を描いている。この日は1000人を超える観客が来場して上映会が行われた後、俳優の北山雅康さんの司会で対談した。撮影当時は倍賞さんが長崎弁を普段から使えるように指導されていたことや、隠していたカメラや照明などを取り出して突発的に雑踏で撮影していたことなど、思い出話に花を咲かせた。ラスト近くで落ち込む夫を倍賞さん演じる妻が春の到来を信じて希望を持つように励ますシーンがあり、倍賞さんが「いいセリフで、今でも覚えている」とほめちぎると、脚本も担当した山田監督は「自分が考えたんじゃない。事前に酪農家から聞いた言葉だった」と種明かしをした。
企画は映画を通じて街を盛り上げようと活動する市民団体「わかやま寅さん会」(西本三平代表)が主催。これまでも山田監督作品の映画「男はつらいよ」シリーズの上映会などを企画してきた。【加藤敦久】
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