熊本県荒尾市のトレーディングカード専門店から大量の「ポケモンカード」が盗まれた事件で、建造物侵入と窃盗の罪に問われていた男(27)=福岡県大牟田市=に対する判決公判が11日、熊本地裁であった。賀嶋敦裁判官は、ポケモンカード事件に加え、熊本県内で起きた3件の事務所荒らしもこの男の犯行と認定し、懲役3年(求刑懲役4年)の実刑判決を言い渡した。

 判決などによると、男は昨年5月12日夜~13日朝、荒尾市菰屋にあるトレカ専門店に侵入し、人気アニメ「ポケットモンスター」のカード68枚(時価合計約543万円相当)や現金約13万円が入ったレジの収納部分を盗んだ。

 昨年9月15日夜~16日朝には熊本県和水(なごみ)町の事務所から現金250万円が入った金庫、昨年10月9日には熊本県菊池市の事務所2カ所からレジスターや金庫、現金などを、それぞれ盗んだ。

 弁護側は執行猶予付きの判決を求めていた。実刑を選択した理由について賀嶋裁判官は、①金銭やスリルを得る目的で約5カ月間に4回と常習性が認められる、②被害総額が約850万円と多額で、大半は被害弁償されていない、③解錠のため工具を準備し、防犯カメラの位置をずらすなど計画的、手慣れた犯行であることを挙げた。(森北喜久馬)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。