NHKドラマ「虎に翼」のロケ地となった名古屋市市政資料館=名古屋市東区で2024年7月13日午前11時35分、川瀬慎一朗撮影
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 NHK連続テレビ小説「虎に翼」のロケ地となった名古屋市市政資料館(同市東区)で13日、伊藤沙莉さん演じる主人公のモデルで、女性として日本初の弁護士・判事・裁判所長を務めた三淵嘉子さん(1914~84年)に関する企画展が始まった。

 市政資料館は22年から79年まで名古屋高裁・地裁として使用されていた。ドラマでは女性初の判事として新潟地家裁三条支部に赴任するが、三淵さんは名古屋地裁に赴任し、52~56年まで勤務した。

 企画展では三淵さんの判事任命に関する公文書や名古屋地裁時代に作成した判決文などを紹介。戦前の法服も展示している。期間中の木~土曜は、再現された戦前の法服を実際に着用できる。

衣装などが展示されている番組展=名古屋市東区の市政資料館で2024年7月13日午前11時34分、川瀬慎一朗撮影
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 初日は女性弁護士の黎明(れいめい)期を知る、乾てい子弁護士(87)=同市千種区=が講演した。弁護士になった66年当時、県弁護士会の女性弁護士は僅か6人。「私たちが果たすべき役割があると思い、よく皆で集まって(女性差別撤廃など)いろいろ話していた」と振り返った。

 市政資料館が裁判所だった時代、法廷に通った。大きなステンドグラスが目を引くが、「当時は仕事場として見ていたので感激はなかった」と話した。

 学生時代には裁判官だった父親の紹介で視察に来ていた三淵さんに会っている。「おおらかな方だった。無意識のうちに憧れたところがあった」と思いをはせていた。

 ドラマの影響で市政資料館の今年度の来館者数は11日時点、前年度の同じ時期の2・4倍に上る。

 企画展は愛知県弁護士会と市が共催し、8月25日まで。館内では、NHK名古屋放送局による番組展も開かれ(9月1日まで)、パネルや衣装、台本が展示されている。いずれも無料。【川瀬慎一朗】

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