住民の約2割が外国籍の群馬県大泉町などを舞台にした短編映画「NOVA」が制作中だ。多文化共生がテーマで、メインキャストは同町出身、在住の日系ブラジル人が務める。カンヌ国際映画祭など各映画祭への出品を目指す。劇場での公開は来春以降になる見通しだ。

 監督は、「シン・ウルトラマン」や「ガリレオ」などで助監督を務めた寺田悠真氏。同町に通って在日外国人に接する中で、人の労働よりもAI(人工知能)が優先される可能性がある今後の社会をどう考えるのか、と感じたことが作品化のきっかけだという。

 映画には同町出身でモデルの日系ブラジル人3世・西村カロリナさんや、同町在住の北原ジョセ・ルイスさんらが出演。イラストの仕事をAIに奪われた日系ブラジル人の女性と、アジア人労働者の増加で仕事を追われた父親が、衝突をしながらも仕事探しの旅を通じて、新たな生き方を見つけるという内容だ。上映時間は約30分。

 町内のハナミズキ通りや町役場で撮影が行われ、町職員もエキストラで登場する。

 村山俊明町長は「町には53カ国の人たちが暮らしている。多文化共生のイメージアップにつながれば」と期待する。町内での上映会などのイベントも検討されている。(水山和敬)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。