日本のサブカルチャーアートに魅せられたチベット出身の元留学生で芸術家、パクパジャブさん(27)の個展「はじまりのおわりのうた」が23日まで、千葉県流山市名都借のアートスタジオ「NAZUKARIWAREHOUSE」(名都借倉庫2階)で開かれている。8年間の留学を終えて8月に帰国予定で「表現の楽しさ、難しさを学んだ日本での集大成になりました」と話している。
パクパジャブさんは中国甘粛省生まれ。幼い頃から絵が好きで、中学時代からチベット仏教の伝統仏画を習い、高校時代には蘭州市(甘粛省)や西安市(陝西省)でデッサンやスケッチなど洋画の技法を学んだ。その頃、日本のアニメーションに出合ったという。「吹き替えで放送された『まんが日本昔話』など、芸術的にデフォルメされた絵が自在に動く映像に驚きました」。自分でも絵を動かしたい、と2016年、18歳で来日。日本語学校で日本語を、アニメーション専門学校で動画制作を学んだ。
平面的な表現が特徴のチベット仏画と、パース(遠近法)や空間を表現するアニメ技法を組み合わせた独自の世界観を模索。専門学校卒業後も日本で作品制作を続け、チベットの昔話を題材にした絵画や、短編アニメを制作する中で「チベットの風景の中で作りたい作品の構想が生まれた」と、活動拠点を故郷に移すことを決めた。
個展では立体作品7点、アニメ原画73点を展示するほか、短編アニメ1作品を上映している。「空と大地の出会い」「太陽と月」などと題した立体作品は「すべて展示会場が決まってから構想を練った新作。約3メートル幅の部屋いっぱいの大作もあります」。
個展は入場無料、開場は正午~午後6時。会期中無休。【藤田祐子】
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