棋士編入試験の受験資格を獲得し、受験への思いを語る西山朋佳白玲=東京都渋谷区の将棋会館で2024年7月4日、丸山進撮影

 日本将棋連盟は25日、西山朋佳白玲(29)から棋士編入試験の受験申請が出され、受理したと発表した。女性では2022年に受験し編入はならなかった福間香奈清麗(32)に続いて2人目の挑戦。新人棋士5人と対戦し、3勝すれば初の女性の「棋士」が誕生する。

 試験は9月から1カ月に1局ずつ行われ、試験官は棋士になった日が浅い順に、高橋佑二郎(25)、山川泰熙(25)、上野裕寿(21)、宮嶋健太(24)、柵木幹太(26)の各四段が務める。

 女流棋士は女性への将棋普及を目的に、棋士とは棋戦も段位も別の仕組みで1974年に設けられた。棋士養成機関の奨励会を突破して四段になれば男女問わず棋士になれたが、奨励会員は圧倒的に男性が多く、女性で棋士になった例はなかった。

 西山白玲は奨励会で三段まで進んだが棋士にあと一歩届かず退会し、21年4月に女流棋士になった。棋士も参加する公式戦に女流棋士枠で参戦し、7月5日までに直近13勝7敗の好成績を上げて受験資格を得ていた。

棋士編入試験とは

 将棋の「棋士」になるには、プロ養成機関の奨励会に入って一番下の6級からスタートし、26歳までに四段まで昇段する必要がある。今の編入試験制度は2006年に導入され、女性への将棋普及を目的に、棋士とは別の仕組みで設けられた「女流棋士」やアマチュアが公式戦で規定の成績を上げれば受験資格を得られる。

 受験料は50万円(税別)。棋士になった日が浅い順に5人の新人棋士が試験官となり、1人1局ずつの五番勝負を指す。第1局のみ振り駒で先手番がどちらになるかを決め、第2局以降は前局に後手番だった側が先手番を受け持つ。対局は1カ月に1回のペースで行われ、勝ち越せば合格。4月1日付か10月1日付で四段となり、名人戦順位戦を指すことができない「フリークラス」に編入される。

 これまで今泉健司五段(51)、折田翔吾五段(34)、小山怜央四段(31)がいずれも3勝1敗で合格し、22年に女性で初めて受験した福間香奈清麗(32)は3連敗で不合格だった。【丸山進】

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