全国のブロック大会を勝ち抜いた高校による演劇の全国大会がある。70回を迎える今年、名顧問が手がけた脚本で、初出場を果たした高校がある。

  • 名顧問がゼロから出発 全国最優秀の翌年、赴任先に演劇部はなかった

 近畿大会で最優秀賞に輝いたのは、兵庫県立東播工(加古川市)だ。2018年にサークルとして発足、同好会を経て部に昇格した。

 同校が演じるのは、観覧車のゴンドラ内で繰り広げられる会話劇「廻(まわ)る」。脚本は、昨年度まで同校顧問の籔博晶教諭(35)=現在は県立舞子勤務=が担当した。

 籔さんは、東播工の前に勤めていた県立東播磨の顧問として17年の全国大会で最優秀賞に輝いた。そのとき演じた籔さんの脚本「アルプススタンドのはしの方」は、高校生の自然な会話で構成される舞台で、後に映画化された評価の高い作品だ。

 籔さんの脚本が全国大会で演じられるのは、17年以来になる。今回の「廻る」も、近畿大会で審査委員を務めた劇作家・平田オリザさんから「文句のつけようがない」と高く評価された。

 籔さんは、東播工を離れても週末を利用し全国大会へ向けて指導を続けている。全国大会は、全国高校総合文化祭(総文)の演劇部門として開催されており、今年は、7月31日から8月2日に岐阜県で開催される。

 また、7月26日には「廻る」の全国大会出場記念公演がある。会場は高砂市文化会館(兵庫県高砂市)。午後5時半開演で入場無料(フリーカンパ制)。(宮沢崇志)

◆全国高校演劇大会の出場校(会場・岐阜県羽島市)

【7月31日】

伊集院高校(九州ブロック・鹿児島県)

下関中等教育学校(中国ブロック・山口県)

帯広三条高校(北海道ブロック・北海道)

長良高校(開催県・岐阜県)

高田高校(中部日本ブロック・三重県)

【8月1日】

宮崎南高校(九州ブロック・宮崎県)

松戸高校(関東ブロック・千葉県)

青森中央高校(東北ブロック・青森県)

東播工業高校(近畿ブロック・兵庫県)

目黒日大高校(関東ブロック・東京都)

【8月2日】

城東高校(四国ブロック・徳島県)

千早高校(関東ブロック・東京都)

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