大シルクロード展の会場。左手前は一級文物の菩薩坐像=松山市の愛媛県美術館で2024年6月25日、太田裕之撮影
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 日中平和友好条約45周年を記念した「世界遺産 大シルクロード展」が、松山市堀之内の愛媛県美術館で開かれている。金銀の宝飾品や青銅器、経典や仏像をはじめ、中国各地の主要な博物館や研究所が所蔵する美術品や関連資料など約200点を展示。うち44点は日本の国宝に相当する「一級文物(いっきゅうぶんぶつ)」だ。愛媛県、愛媛新聞社、南海放送で構成する実行委員会の主催で9月1日まで。

 2014年に「シルクロード:長安―天山回廊の交易路網」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されて以来、中国国外では初の大規模なシルクロードの展覧会という。東京富士美術館の企画で全国6カ所を巡回し、四国では愛媛県美術館でのみ開催されている。

陶製の駱駝(らくだ)=松山市の愛媛県美術館で2024年6月25日、太田裕之撮影
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 「民族往来の舞台 胡人(こじん)の活動とオアシスの遺宝」「東西文明の融合 響き合う漢と胡の輝き」「仏教東漸(とうぜん)の遥かな旅 眠りから覚めた経典と祈りの造形」の3章に分けて構成している。胡人はシルクロードを往来した各国の商人、使者、僧侶ら、中国からみて西域などの非漢民族の人を指す。

 新疆ウイグル自治区から出土した金製の杯「瑪瑙象嵌杯(めのうぞうがんはい)」は金地に多数ちりばめられた赤い瑪瑙が鮮やか。虎の形の取っ手があり、ビールジョッキのように使われたという。「マニ教ソグド語の手紙」はシルクロードの共通語として使われた言語で縦書きされ、左から読む珍しい形式。高位の僧侶に宛てられた年賀状とされる。「半人半馬および武人像壁掛」は綴織(つづれおり)技法で、色糸の濃淡により武人の顔が立体的に表現されている。

 一般1600円▽高大生800円▽小中生500円▽未就学児は無料。問い合わせは実行委事務局(089・935・2322、平日午前9時~午後5時)。【太田裕之】

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