島根県雲南市で7月23日に行われた夏祭り「二十三夜祭」。花火大会も開催されました。この祭りを、子どもたちが地元を走るJR木次線を利用するきっかけにしようと、祭り会場の最寄り駅でおもてなしのイベントが開かれました。

トロッコ列車おろち号に…色鮮やかに描かれた花など、雲南市加茂町のJR木次線の加茂中駅前に並んだ約50個の灯篭。夏の夜をほのかに照らし、訪れた人を迎えます。毎年7月23日に行われている「二十三夜祭」にあわせて用意されました。
祭りは、たくさんの出店に花火大会などで例年6000人を超える人出でにぎわいます。

午後5時過ぎの加茂中駅前。何やらイベントの準備のようです。

サンカクカフェ・岸本寛子さん:
お祭りに、ぜひ木次線に乗ってきてほしいという思いから木次線利用促進の事業としてイベントを始めました。

その名も「汽車にのって二十三夜へ行こう」。恒例の夏祭りに列車で足を運んでもらい、利用低迷が続く木次線に乗るきっかけになればと、地域のまちづくりなどに取り組む住民グループが、7月23日の「二十三夜祭」にあわせて2018年から開いています。メンバーのほか市内の中学生10人が、ボランティアとして参加駅に降り立った人たちを迎える準備です。

午後5時半に列車が到着。いつもと違って、ホームには浴衣姿の子どもたちもいました。子どもたちは「お菓子すくい」で大喜び。日ごろは静かな駅前が、久しぶりににぎわいをみせました。

利用した子ども:
Q列車って普段乗りますか?
普段はあまり乗りません。

Qみんなで乗ってみた感想は
すごく楽しかった。

利用した保護者:
子どもが高校生くらいになった時に、もしかしたら使うかもしれないと思うと、ぜひ残してほしいですね。

1日平均の乗車人数は50人という加茂中駅。この日は、祭の時間帯だけで、200人を超える人が降り立ちました。日が暮れはじめたころ、灯篭に灯がともります。
午後8時過ぎからの花火大会を前に、駅前はさらににぎやかになりました。わが子が描いた灯篭の絵を探す人の姿も。
電車と星と蛍を描いたわが子の灯篭を見つけた保護者は「娘が上手にできたよって教えてくれたので来ました。初めて来させてもらったけど夏の風情があって良い」と話していました。

祭りのクライマックスは花火大会。雲南地域では初めてという10号の大玉花火が夜空を焦がしました。

サンカクカフェ・岸本寛子さん:
木次線を残したいという思いはもちろんありますが。住んでいる地元の人がもっと木次線に興味を持ってもらって意識してもらい、木次線に乗ってみようと思ってもらえるようなイベントを続けていけたらいいなと思います。

夏祭りの思い出を列車で行った記憶とともに、岸本さんたちは今後もこうしたイベントで乗車のきっかけを作り、木次線の利用促進につなげたいとしています。

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