秋田県羽後町の伝統行事「西馬音内の盆踊」が8月16日に開幕する。伝統の祭りの魅力を発信しようと活動を続ける地元・羽後高校の郷土芸能部にスポットを当てる。

羽後高校の校舎に響くおはやしの音色。教室をのぞいてみると、笛や太鼓の練習が行われていた。

練習に励んでいたのは「郷土芸能部」に所属する生徒5人だ。

生徒たちは、羽後町に伝わる「西馬音内の盆踊」の魅力を発信しようと、さまざまなイベントで踊りやおはやしを披露している。

700年以上の歴史があるとされる「西馬音内の盆踊」。踊り手はかがり火を囲み、編みがさや彦三頭巾、端縫いの衣装を身にまとい、おはやしに合わせて優雅に踊る。

2022年11月には「西馬音内の盆踊」を含む「風流踊」が、ユネスコの無形文化遺産に登録された。

郷土芸能部の生徒たちはいま、来週に迫った盆踊りの本番に向けて週4日練習を行っている。

生徒のほとんどが羽後町の出身だが、中には隣の湯沢市から通っている生徒もいる。

中学校までは吹奏楽部でトランペットを吹いていたという、湯沢市から通う佐々木駿翔さん(3年)は「打楽器系のものに触れることがなかったが、太鼓を体験して『たたいてみたい』という気持ちが強くなった。先輩たちから教えてもらい、うまくなっていく実感があった」と話す。

練習では、定期的に盆踊りの保存会のメンバーから踊りやおはやしの指導を受け、スキルアップに努めている。

笛を担当する小番仲菜さん(1年)は「先輩たちも優しいし、まだちゃんと吹けないが、保存会からの指導を受けて少しずつ吹けるようになってきているので楽しい」という。

太鼓を担当する高橋智紀さん(3年)は「がんけや音頭の小太鼓の音をちゃんと聞きながら合わせることと、手の振り方を気を付けている」と話す。

生徒たちは祭りの魅力を伝えるため、保存会のメンバーとともに道の駅や福祉施設で盆踊りを披露している。

 鈴木ひかりさん(1年):
「盆踊りは楽しいし、この町の伝統を改めて大切に思う気持ちが芽生えてきた」

 高橋智紀さん:
「人口減少が進むと盆踊りもできなくなってしまうので、一生懸命盆踊りの良さを伝えながら、盆踊りに参加していく」

 郷土芸能部・原田舞莉愛部長(3年):
「郷土芸能部に入りコミュニケーション力がついたので、社会人になってからもたくさんの人とコミュニケーションをとりたい」

2024年の「西馬音内の盆踊」では、郷土芸能部の5人全員がおはやしを披露する。ぜひ会場で音色を楽しんでほしい。

 佐々木駿翔さん:
「観客の人たちを元気づけられるような太鼓の演奏を心がけたい」

 原田舞莉愛部長:
「長く吹けるように心がけたい」

 小番仲菜さん:
「少人数でも西馬音内盆踊りの良さを届けられるように、音をちゃんと出すことと最後まで吹ききることを頑張りたい」

 鈴木ひかりさん:
「最初から最後まで、楽しく元気に頑張りたい」

地域の祭りを愛し、魅力を発信し続ける高校生。

羽後町の「西馬音内の盆踊」は8月16日から3日間、羽後町西馬音内本町通りで開催される予定。

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