4月26日に亡くなったブライダルデザイナーの桂由美さんをしのぶ「追悼ファッションショー」が9日、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。ショーは2部制で行われ、桂さんがデザインしたウエディングドレスの中から代表作の100着がランウエーで披露された。桂さんは生前「お葬式なんていらないから、代わりにショーをしてほしい」と話していたという。
会場は華道家の假屋崎(かりやざき)省吾さんの手による花で彩られ、テノール歌手の秋川雅史さんが「千の風になって」を歌い上げる中、ショーは始まった。ランウエーに最初に登場する「ファーストルック」は、モデルの冨永愛さんが務めた。
桂さんとは30年来の付き合いだという假屋崎さんは「ご恩を花に託して真心込めて生けました。先生には感謝しかありません」と話し、冨永さんは「追悼する気持ちでランウエーを歩かせていただきました。私たちが衣装を着て表現することで、会場の皆さまに、桂さんの生きざまも含めて伝えることができたらと思います」とコメントした。
桂さんは東京都出身。共立女子大卒業後、母が営む洋裁学校の教員となったのちパリに留学。帰国後の1964年、日本初のブライダル専門店を東京・赤坂に開店した。和装での神前式が大半だった日本で、洋装婚を普及させた。着物のお引きずりに着想を得た、人魚のような曲線のシルエットで裾が優美に広がるウエディングドレスは「ユミライン」と呼ばれ、世界の花嫁を魅了した。【小松やしほ】
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