日本最大の帆船“海の貴婦人”と呼ばれる「海王丸」が9日、敦賀港に入港しました。海王丸は航海士を目指す若者を育成する練習船で、敦賀に寄港したのは26年ぶりです。11日に一般公開されます。
午前9時半ごろ敦賀港に入港した海王丸。敦賀市が、北陸新幹線開業を記念し海王丸を運航している海技教育機構に要請して実現しました。
佐々木拓哉アナウンサー:
「海王丸が着岸しました。生で見ると、この大きさ!ものすごい迫力です」
「海王丸」は全長約110メートル、重さは2556トンと国内最大の帆船で、帆を張った姿の美しさから“海の貴婦人”とも呼ばれます。
今回は、船長や機関長など乗組員42人と東京海洋大学の1年生67人が実習生として乗船しています。
8月11日には、デッキが一般公開されます。注目ポイントは、帆をあげて走る時に実際に使われる大きな「舵輪」と呼ばれる舵(かじ)で、実際に触ってその重さを体験することができます。
一方、9日は、今回の一般公開の対象外である船の中の一部の撮影が許可されました。操舵室では、航海士がコンパスを使って方位を測り、船の位置を確認する作業を実演しました。実習生が休息する部屋は2段ベッドが4つ入った8人部屋で、船の中で共同生活を送っています。
9日の、実習生の昼食は、敦賀への寄港を記念して「鯖寿司」や「おろしそば」など福井にちなんだメニューでした。
北海道から1週間の航海を終えた実習生たちは、10日は休みで自由行動になります。女子の実習生で神奈川県と千葉県出身の2人は「福井に来るのは初めて。久しぶりの上陸でとてもわくわくしていて楽しみ。福井のおいしい越前がにやおろしそばを食べたい」と話し、男子の実習生は「福井は海鮮が有名で自然や公園が多いと聞いた。上陸を楽しみにしている。恐竜博物館に行きたい」などと話していました。
26年ぶりの敦賀寄港に、実習生を指導している藤井つむぎ三等航海士は「帆で動く船だが大舵輪は舵として動かしているので、その大きさに触れてほしい。ぜひたくさんの人に遊びに来てもらいたい。海王丸一同お待ちしています」と笑顔で話していました。
海王丸の一般公開は、11日午前9時と午後1時の2部制で、デッキ部分が見学でき、実習生が機器や実習の様子を説明します。
なお、今回は実習生が2回目の航海ということで、全ての帆を張るのに十分な経験がないため、前後の小さな帆2つのみを張って展示されるということです。また広報ブースでは、海技教育機構監修の「練習船カレー」も販売されます。
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