展示会場で作品を描く翔一朗さん=岡山県吉備中央町吉川で2024年7月21日、今東理恵撮影

 岡山県津山市在住の画家、翔一朗さん(23)のペン画展が、岡山県吉備中央町吉川のNスクエアで開かれている。動植物などの自然物に、船や機械といった人工物を一つの絵の中で組み合わせた独創的な絵画約10点を展示している。【今東理恵】

 翔一朗さんは、幼い頃から自己表現やコミュニケーションが苦手で、小学3年の時に自閉症スペクトラムと診断された。絵を描くのは好きで、出かけるときはいつもお絵かき帳を持ち歩いていたという。

 県立高梁城南高校のデザイン科に進学。在学中は、地元の祭りのポスターで最優秀を受賞し、国際的なコンテストで受賞して日本代表に選ばれるなど、絵の実力が認められた。「言葉にできない内面を絵で表現することで自己表現が楽しめるようになった」と振り返る。

ヘラクレスオオカブトとサンゴ礁が合体した絵=翔一朗さん提供

 高校卒業後は、興味のあった伝統工芸を学ぶために京都に行ったが、うまくいかずに4年後に岡山に戻った。自宅で過ごす中で、ペン画を描いて何気なくSNSに投稿したところ、思いがけず多くの閲覧があった。SNSを見た地元の美術関係者から個展の誘いがあり、今年4月には岡山市内で初個展が実現した。

 翔一朗さんは、絵の中で組み合わせる自然物と人工物の作品の形や特徴をまず頭の中で組み合わせ、そのイメージを下描きなしで画用紙に描いているという。「絵を見て、組み合わせを想像して、面白いと感じてもらえたらうれしいです」と話している。9月1日まで。入場無料。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。