鳥取県在住の女性イラストレーターが手掛けたイラスト。双子の母親でもあるという作者のモットーは、子どもを笑顔にする作品作りです。イラスト制作にかける思いを取材しました。

Q、何描いているの?
「トカゲ。変!今日だけ変になっちゃった」

楽しそうに絵を描く7歳の双子の女の子。仲睦まじい様子を温かく見守っているのが、鳥取県在住のイラストレーター・アキタヒロミさん。2人の母親です。アキタさんの作品は、見ているとほっこりするようなやさしいタッチが特徴。このかわいらしい作風から、数々の育児書や雑誌の挿絵に採用されています。さらに学校の教材にも使われていることから…。

アキタヒロミさんの双子の娘:
「これです」

双子が見せてくれたのは小学1年生の「算数のテスト」。ここにアキタさんのイラストが!2人は学校のテスト中に、お母さんのイラストに出会うという珍しい体験をしました。

アキタヒロミさんの双子の妹:
「立ったらいけんって言われた。お母さんの絵だったけん、(姉に)お母さんの絵だよって(立って言いに行った)」

興奮のあまり先生に怒られてしまったようです。ちなみにテストの結果は…。

アキタヒロミさんの双子の妹:
「80点だった…1年生の問題、簡単なのに…」

アキタさんはこの出来事をXに投稿。すると1万を超える「いいね」がつくなど、大きな反響がありました。20年以上イラストレーターとして活動し、実績を重ねてきたアキタさん。絵を描くことを仕事に選んだのは、幼少期の経験が大きかったといいます。

イラストレーター・アキタヒロミさん:
「股関節の疾患で完治はならなくて、若いうちは痛みなく歩ける見込みですと言われた。普段の生活には全然支障ない」

生後すぐに股関節に異常があると診断され、幼いころからギプスで固定するなど治療を続け、小学校高学年の時には手術を受けた影響で2年間、特別支援学校で過ごしました。

イラストレーター・アキタヒロミさん:
「少し年上の方だったんですけど、同じ時期に入院している方で漫画家をめざしている方がいて、自分とはレベルの違う上手な絵を描かれていたので、そこでも影響を受けました」

この出会いが、幼いころから好きだった「絵を描くこと」を仕事にしたいと思うきっかけになりました。その後、2003年にイラストレーターとして活動をスタート。子ども向けの作風が少しずつ人気を集めていき、2015年から学校の教材で採用されるまでになりました。自身が幼いころに苦労した分、子どもを元気づけるような作品を生み出すことが一つのやりがいとなっています。

イラストレーター・アキタヒロミさん:
「特に子ども向けの作品というのが、自分自身も描くのが楽しいし好きなので、もっともっと子どもたちの笑顔に繋がるような仕事をしていきたいと思っています」

双子の母となり、娘とのやりとりを作品づくりに生かそうと意気込むアキタさん。これからもイラストを通して子どもたちを笑顔にします。

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