松江市の書店で、高校生が選んだ本を販売するブックフェアが開かれています。フェアを企画したのは、高校の図書館の司書教諭です。若い世代の活字離れが進む中、本に触れる楽しさを生徒たちに伝えます。

松江市の松江農林高校。図書館に集まった生徒たちが手にしているのは…。

生徒:
「本のPOPをラミネートしているので、それをバランスよく切っています」

手作りのPOP、本の内容などを紹介するメッセージカードです。学校近くの書店で開かれるブックフェアの準備です。
このフェアを企画したのは、学校図書館の司書と図書委員や、日ごろから図書館をよく利用している生徒たち。1カ月ほど前から準備を進めてきました。

松江農林高校 学校司書・宮本和樹さん:
「図書館に来ても本を手に取らず、本に全く触れていないということが多々見られる状況です」

年々進む若い世代の活字離れ。島根県のまとめによると、2023年度の調査で、読書が好きと回答した児童・生徒の割合は、小中学校ともに6年前と比べて7~8ポイント減少。学校司書の宮本先生によると、この学校でも図書館で1冊も本を借りなかった生徒の割合が、2022年度の約3割から約4割に増加しています。

松江農林高校学校司書・宮本和樹さん:
「本を読んで、スマホとかインターネットとは違う経験も得られるかなと思うので(この状況に)非常に危機感を持っている」

そこで本に触れるきっかけになればと、学校近くにある書店にブックフェアの開催を提案しました。準備を終えた生徒たちは、歩いて書店へ。

櫃田優果記者:
「書店に移動した生徒たちは、こちらのレジ横の人目に付きやすい場所でフェアの準備を進めています」

生徒:
「こう置きます?上下で置きます?」

図書館の貸出ランキング上位の作品や、生徒が選んだおすすめの本など、46作品が並びました。手作りのPOPを添えて、客の目を引きます。
さらに企画したのが「闇本」のコーナー。表紙が隠され、タイトルや著者名がわからないまま、生徒たちのコメントを頼りに購入してもらいます。

生徒:
「闇本のコメントをどんな風に書いたら、お客さんが買ってみたいと思うかというのを考えるのが難しかったです」

生徒:
「知らない作品だなというのが目に留まるように、意識して選びました。少しでも多くの人に、私たちが選んだ本を見てほしいです」

このユニークなブックフェアには、もう一つの狙いもありました。

松江農林高校 学校司書・宮本和樹さん:
「これをきっかけに、書店と学校と地域の皆さんと一体となって、読書文化の活性化ができればと思います」

山陰でも書店の閉店が相次ぐ中、地域の文化を支える書店を盛り上げるきっかけになればと、店側も初めての学校とのコラボを歓迎します。
このブックフェアは、松江市の今井書店グループセンター店で9月16日まで開かれています。

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