藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に豊島将之九段(33)が挑戦する第82期将棋名人戦七番勝負第2局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、地元主催・千葉県成田市など)が23日、同市の成田山新勝寺で始まった。

  • 【タイムライン】戦型は相懸かり、副立会人の佐藤七段「定番だが珍しい形」

 関係者が見守る中、定刻の午前9時になり、豊島挑戦者が指した初手は▲2六歩。藤井名人の2手目は△8四歩。互いに居飛車で飛車先の歩を伸ばす「相懸かり」になった。

 副立会人で解説役を務める佐藤和俊七段(45)は「2筋の歩を早めに交換するなど、豊島挑戦者の工夫を感じます」。

 豊島挑戦者は▲2六飛と中段飛車に構え、23手目▲3六飛と1路左に飛車を寄せ、後手の3四歩を狙った。「ひねり飛車模様の序盤戦です」と佐藤七段。ひねり飛車は、豊島九段の師匠である桐山清澄九段(76)が得意とした戦型だ。「その後、あまり指されなくなったのですが、最近、若手棋士が再注目しているテーマです。もう少し進めば、両者の思惑がもう少しくっきり見えてくると思います」と佐藤七段は話していた。

 成田山新勝寺での名人戦は今回で3局目。第62期は挑戦者、第72期は名人として対局した森内俊之九段(53)が本局では立会人を務める。「10年ごとの成田での名人戦にかかわらせていただき、大変光栄です。昨日の前夜祭は、以前とは違って、女性ファンがたくさん。ファン層の広がりが今後も続いて欲しいです」

 市が公募した初手観戦者10人のうち半数が女性だった。茨城県ひたちなか市の公務員、堀内由記子さん(56)は「藤井さんと豊島さんのタイトル戦が一番好き。しかも最高峰の名人戦。人生最高の思い出です」と語った。(佐藤圭司)

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