世界文化遺産登録を目指す推薦候補に9日、「飛鳥・藤原の宮都」が選ばれた。関係自治体の中でも「遺跡と共に生きる村」として運動を続けた奈良県明日香村の喜びはひとしおだ。2007年に暫定リストに掲載されてから17年。村役場には「祝 飛鳥藤原」と書かれた懸垂幕が下げられた。
飛鳥・藤原は、ほかに橿原(かしはら)・桜井両市の計3自治体にまたがるが、22の構成資産中、高松塚古墳など15の構成資産が明日香村にある。周辺市町との合併も検討した人口5000人余の村が03年、単独で存続することを決めた後に取り組んだのが、世界文化遺産登録による訪日客の誘致だった。
森川裕一村長は「村が誇る遺産をまずは国に認めていただいて大変うれしい。2年後の本登録に向け全力を尽くす」と述べた。
登録推進協専門委委員長の木下正史・東京学芸大名誉教授は「古代東アジアとの交流を通して律令制による中央集権国家がつくり上げられていった過程を示す稀有(けう)な遺産群。保存に向けてさらに努力していく」と話した。【皆木成実】
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