能登半島地震で被害を受けた七尾市の寺で保管されていた文化財の調査が行われました。

七尾市大田町(おおたまち)にある曹洞宗の寺、大龍山海門寺(だいりゅうざんかいもんじ)。能登半島地震で灯篭が壊れたり、建物が歪んで壁が落ちるなど大きな被害がありました。建物の形は残っていますが、半壊扱いとなっています。

その海門寺で行われたのは、文化財調査です。

この海門寺、開山した年ははっきりと分かっていませんが1158年、保元3年に作られた 観音様が祀られていることから約850年以上前から何らかの宗教施設として存在していたとされています。

今回の地震で倒壊を免れた海門寺。長年受け継がれてきた文化財が一体どのようなものなのか、住職は市や県立歴史博物館に調査の協力を仰ぎました。お堂の中には保管されていた奉納絵馬を中心に約60点ほどが並べられ、学芸員などが、記された文字、年代などを確認していきました。

調査の結果、鮮やかな色彩で北前船を描いたものや今からちょうど200年前、文政7年に奉納されたものまで、様々な絵馬が保管されていたことが分かりました。

県立歴史博物館 中村真菜美さん:
「信仰にかかわる物が出てきているので寺の歴史にかかわるもので、あるとか、船絵馬といわれる船を描いた絵馬がある。七尾らしい、船主の多い地域ならではの絵馬が出てきている。お寺の長い歴史の中で廃棄されずにずっと伝わって来ていることに大きな価値がある」

海門寺副住職 松本道匡さん:
「観音様に奉納された品々が実に多いということ。能登一円からの多くの信仰を集めていたことが伺い知れるような品が見つかったというのがお寺をお預かりするものとして驚きでもあり、うれしく思う所でもある。倒壊を免れたお寺として地域の方に地域の歴史を伝えて行く、広めて行くのも我々の使命だと思っております」

今後、海門寺では今回調査した奉納絵馬などを 市民に公開し、寺の歴史について知ってもらうきっかけにしたいとしています。

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