代表作の一つ「熱国妍春」は南国の鮮やかな色彩を映し出す=京都市中京区の京都文化博物館で2024年9月12日午後2時36分、亀田早苗撮影

 京都文化博物館(京都市中京区)で特別展「生誕140年記念 石崎光瑤(こうよう)」(毎日新聞社など主催)が14日から始まっている。

 石崎光瑤(1884~1947)は明治後期から昭和前期にかけて京都を中心に活躍した日本画家。華麗な花鳥画を多く残した。生涯にわたる画業を作品約80点と資料でたどる大規模回顧展で、光瑤の故郷・北陸以外では初めての開催となる。

 現在の富山県南砺市に生まれ、19歳で京都に出て気鋭の日本画家、竹内栖鳳(せいほう)に師事した。1918年に文展で、19年に帝展で特選を連続受賞して注目を集めた。受賞作「熱国妍春(ねっこくけんしゅん)」、「燦雨(さんう)」は、いずれも16年からのインド旅行に想を得て、南国の鳥や植物をけんらんたる色彩で活写している。

特別展示される高野山・金剛峯寺奥殿襖絵。中でもこの「雪嶺(せつれい)」は寺院外では初公開となる=京都市中京区の京都文化博物館で2024年9月12日午後2時24分、亀田早苗撮影

 光瑤は古画も研究し、伊藤若冲の代表作を発見して紹介。そうした活動と制作のかかわりも見られる。また晩年に依頼され、普段は非公開の高野山・金剛峯寺奥殿襖絵(ふすまえ)20面も特別展示。華やかだが、抑制が利いた画面が、落ち着いた空間の広がりを感じさせる。

 11月10日まで(熱国妍春は10月14日まで公開)、月曜休館(祝日は開館し、翌日休館)。午前10時~午後6時(水・金は午後8時半、入館は30分前まで)、一般1800円など。同館(075・222・0888)。【亀田早苗】

〔京都版〕

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