千葉県成田市の成田山新勝寺で23日、始まった第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、同市など地元主催)の第2局。藤井聡太名人(21)に豊島将之九段(33)が挑戦する対局は「初手観戦」が行われ、ファンらが固唾(かたず)をのんで勝負の始まりを見守った。プロによる指導対局や大盤解説会なども催され、大勢でにぎわった。【合田月美】
市が募集した初手観戦には180件の応募があり、抽選で選ばれた10人が参加した。午前9時の開始を前に対局室へ入り、両棋士の入場から着座、双方が最初の手を指すまでを見守った。
藤井名人ファンという茨城県ひたちなか市の堀内由記子さん(56)は「間近で観戦したのは初めて。2人の息づかいを感じることができた。一生忘れられない」と感極まった様子。前日は興奮で眠れなかったといい、「この後は、聡太先生のために新勝寺でお祈りする」と話した。
親子3人で観戦した成田市の中学1年、鈴木潤さん(12)は対局者が共に時間をかけて指す様子に驚いた様子。「(藤井名人らが)ものすごく集中して真剣に考えているのが分かった」と感想を話した。母久美さん(51)は「駒を用意する場面など対局前の様子も見ることができた。棋士が瞑想(めいそう)していたのも印象的だった」と述べた。
JR成田駅前のなごみの米屋スカイタウンホールでは指導対局と大盤解説会があった。指導対局には千葉市出身の石井健太郎七段(32)、八千代市出身の近藤誠也七段(27)、船橋市出身の高橋佑二郎四段(24)ら5人がそれぞれ3人を相手にアドバイスしながら対局。計75人が挑んだ。
大盤解説会では、四街道市出身の木村一基九段(50)や、成田市で開かれた62期、72期の名人戦を戦った森内俊之九段(53)が登壇。木村九段は解説の合間に両者が食べたおやつにも言及し、「買いに行くなら今。逃すと並ばないと買えなくなりますよ」などと会場を和ませた。
24日朝も2日目の対局開始の観戦が行われ、ファンら10人が封じ手の開封を見守る。
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