「神童」として知られるオーストリアの作曲家、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~91年)が若い時に作曲した未発表の楽譜が独ライプチヒの図書館で発見された。国際モーツァルテウム財団のウルリッヒ・ライジンガー博士が来日し、24日に発表した。
発見されたのは、二つのバイオリンとチェロで演奏する弦楽三重奏曲の楽譜。七つの短い楽章で構成され、演奏時間は約12分。自筆譜ではないが、名前が「ウォルフガング・モーツァルト」とだけ記されており、若いころにモーツァルトが使用していた「アマデウス」を省略した記名と同じだったことなどから、モーツァルトの作品と結論づけた。
モーツァルトの姉が1800年に出版社に送った書簡には「モーツァルトが幼い時に書いたもので、とてもシンプルな作品のため、私には意味のないもののように思えて、このようなものを送ることにちゅうちょしていました」と書かれており、その後に「9歳の時に作曲された」と明かしていた。しかし、これまで楽譜が行方不明で、作品は把握されていなかった。
モーツァルトの作品に番号を付けて整理する「ケッヘル目録」が60年ぶりに改訂され、新たに発見された弦楽三重奏曲には「KV648」の番号が付けられた。
約1年前に楽譜を発見したライジンガー博士は「私にとって一番驚いた新発見の作品。モーツァルトが幼い時に書いた作品はたくさん消失しているので、将来もまた新たな発見があるかもしれません」と話した。【須藤唯哉】
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