就位式で王将盾を手に写真撮影に応じる藤井聡太王将=東京都文京区で2024年5月23日、内藤絵美撮影

 将棋の第72期王座戦五番勝負(日本経済新聞社主催)の第3局が30日、京都市で指され、名人をはじめ7冠を持つ藤井聡太王座(22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に156手で勝ち、3連勝で初防衛を決めた。対局場は昨年、挑戦者だった藤井王座が当時王座だった永瀬九段からタイトルを奪取し、前人未到の8冠独占を成し遂げた時と同じホテル。昨年は開幕戦を勝利し、その後の3局も好勝負を演じた永瀬九段だったが、リベンジマッチは1勝も挙げられずに敗退した。

 今期王座戦は全て角換わりの戦いになった。第3局は後手番の藤井王座から攻め、永瀬九段が受けに回る展開で、夕食休憩の後も形勢不明の熱戦が続いたが、最後は藤井王座が制した。

 難敵を降して叡王を除く7冠を守った藤井王座は終局後、「結果を出せたのはうれしく思っているが、本局はかなり苦しい将棋だったので、内容もより高めていかなければいけないと感じた」と話した。永瀬九段は「(シリーズを通して)形勢がよくなったのは本局だけだったので、チャンスは少なかった」と肩を落とした。【新土居仁昌】

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