「笑わせるって楽しいこと、笑うっていいことだと知ってほしい」と話す海老名香葉子さん=東京都台東区の「ねぎし三平堂」で2024年4月10日、油井雅和撮影

 昭和の爆笑王、初代林家三平の記念館「ねぎし三平堂」(東京都台東区)が新型コロナウイルスの感染拡大による一時休館を経て、13日にリニューアルオープンする。

 ラジオ、テレビで圧倒的な人気を誇り、1980年に54歳の若さで亡くなった三平。9歳で父と別れた次男、二代目三平さんが、遺品を「捨てないで」と懇願し、貴重な昭和の演芸資料が残され、95年にオープンした。資料展示のほか、館内の高座を使った落語会を開いてきたが、コロナ禍で休館を余儀なくされた。

 今年は長男正蔵さんが副会長を務める落語協会の誕生から100年にあたり、来年は三平生誕100年となることから、新たな展示品も含めて約3000点を並べた。妻でエッセイストの海老名香葉子さん(90)のコーナーも新設した。

 三平は亡くなる前、入院中の病院で看護師から「ご自分の名前を言えますか」と問われ、「加山雄三です」と言って笑わせた。海老名さんは10日の取材に、落語界で知られるこのエピソードを紹介し、「大好きな仕事を精いっぱいできたから、大満足で大往生だと伝えてくれ、と言って旅立ちました。笑わせるって楽しいこと、笑うっていいことだと知ってほしい」と話した。

10歳下の立川談志さんの実力を若手のころから評価していた三平は、選挙の応援演説にも立った=東京都台東区の「ねぎし三平堂」で2024年4月10日、油井雅和撮影

 堂長を務める二代目三平さんは「父を応援してくださった方がこんなにいたことがわかっていただければ。僕も父の重さを感じて頑張りたい」と話した。

 三平堂はJR鶯谷駅下車。13日のプレオープン後は日曜と水曜の公開で入堂料は1000円(小学生500円)。大型連休の28、29日、5月1、3~6日は開堂する。詳しくは公式ホームページ。【油井雅和】

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