将棋の元奨励会三段、中七海(なか・ななみ)さん(26)が日本将棋連盟に女流棋士の資格申請書を提出し、11月1日付で女流棋士三段になることが4日、連盟から発表された。プロ棋士(四段)への最終関門となる奨励会三段まで昇段した女性が女流棋士になるのは福間香奈清麗(32)、西山朋佳白玲(29)に続いて3人目。福間清麗と西山白玲は現在、八つの女流タイトルを二分しており、中さんが2人に割って入れるかが注目されている。
中さんは連盟を通じて「心機一転、前向きな気持ちでがんばります。ご指導ご鞭撻(べんたつ)のほどよろしくお願いします」とのコメントを出した。
中さんは神戸市出身。2010年の小学生将棋名人戦でベスト4に進み、中学1年だった翌11年9月、6級で奨励会に入会。師匠の井上慶太九段によると、居飛車も振り飛車も指しこなすオールラウンダーの攻め将棋で、18年4月に初段、20年2月に二段、同年9月に三段昇段を決めた。第72回リーグ戦(22年度下期)では10勝8敗と勝ち越し、井上九段は「着実に強くなった」と成長を認めていた。
26歳の年齢制限により、最後となった第75回リーグ戦は、8勝8敗で9月7日の最終例会(17、18回戦)を迎えた。連勝して勝ち越せば特例規定で次回リーグ戦への参加が可能だったが連敗して8勝10敗で終わり、三段リーグ8期(4年間)で奨励会退会が決まった。
中さんは「奨励会2級以上で退会の場合は、退会時の段級位でそのまま女流棋士の資格を得る」との奨励会規定により、女流三段となる。【新土居仁昌】
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