文化審議会(島谷弘幸会長)は18日、中国から伝来した黄檗宗の大本山、萬福寺(京都府宇治市)を国宝に、度重なる地震を乗り越えた総持寺祖院(石川県輪島市)や、高野山真言宗総本山の金剛峯寺(和歌山県高野町)など6件を重要文化財に新たに指定するよう、文部科学相に答申した。近く答申通り告示され、重文の建造物は2589件(うち国宝232件)となる。

萬福寺は鎖国期の17世紀半ばに日本へ渡った中国の高僧が創建。明末から清初期の中国仏教建築と日本の寺院建築が融合した独特の建築様式が貴重とされる。

総持寺祖院は、明治の大火で横浜に移転した曹洞宗大本山の跡地に、別院として再建された。近世と近代の堂舎が混在する景観を伝え、歴史的価値が高いとされる。2007年の能登半島地震で被災後に修復され、今年1月の地震では比較的軽微な被害にとどまった。

金剛峯寺は中心となる金堂と根本大塔に加えて、御影堂などの堂舎9棟の2件が答申された。昭和初期に再建された金堂などは、鉄骨鉄筋コンクリート造を木で覆って伝統的な木造寺院建築に見せる技術が高く評価された。

京都府宇治市の萬福寺(同寺提供)

石川県輪島市の総持寺祖院(アトリエR畑亮氏撮影)

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