今月17日に虚血性心疾患のため76歳で亡くなった、俳優の西田敏行さん。
TBSヴィンテージクラシックスの協力でTBSに保存されていた西田さんの貴重な秘蔵写真を新たに発掘。西田敏行さんとTBSの記録を振り返ります。
なお、西田敏行さんの公式サイトではTBSの出演歴として「渥美清の泣いてたまるか」(1967年)「ありがとう」(1968年)などの記載があります。
TBSに残っているデータ上で、西田敏行さんが出演した記録は1970年6月から2024年3月(ドラマ:さよならマエストロ)まで54年間にわたっていて、出演回数としては976回。
データ上、最古の出演記録は1970年6月21日の東芝日曜劇場「風が泣いている」に出演しているシーンで、西田さんの出演時間は「3秒」でした。
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役としては「記者」で、ドラマの最後の場面で 竜雷太さん演じる人気文化人類学者がシベリアに旅立つ際に、空港のロビーで学者を取り囲む8人の取材陣の1人でした。
西田さんの顔が見えるのは、ほんの一瞬で2カットあわせても2秒ありません。ただ、声は3秒間聞こえます。
西田さんのセリフは以下の通りでした。
「ははっ、シベリアの冬は素晴らしいのでしょうが、大変だという話ですね」
特徴ある声は、まさに西田敏行さん。セリフの前に「ははっ」という笑い声のような声が入っていて、いたずらっぽい、愉快な調子でした。
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西田さんは「ドラマのTBS」と言われたTBSでの出演が特に多く、デビュー作から今年の「さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~」まで58の作品に出演しています(TBSヴィンテージクラシックス調べ)
こちらの写真は、本邦初公開のもので、西田さんが出演したドラマ「港町純情シネマ」(1980年4月~7月 全13回)のロケ先でのひとこまとみられます。
ちなみに、西田さんの役者人生の仲で最も多忙だったのは1980年、西田さんが32歳から33歳の1年かもしれません。
この年、西田さんは3つの放送局でゴールデンタイムの4つの連続ドラマの主演を務めています。そのうち2作品については2クールの連続ドラマです。
①池中玄太80キロ 日本テレビ 1980年4月~6月 全13回
②港町純情シネマ TBS 1980年4月~7月 全13回
③一人来い二人来いみんな来い TBS 1980年9月~1981年1月 全22回
④サンキュー先生 テレビ朝日 1980年9月~1981年3月 全25回
ちなみに、港町純情シネマは 裏淋しい港町のしがない映写技師を西田敏行さんが演じ、その父親を室田日出男さんが演じました。父親の愛人役は木の実ナナさん。その、愛人に恋をしてしまい経営と女性をめぐって父と子がすったもんだする人情ドラマです。
港町純情シネマのディレクターを務めた市川哲夫氏は「売れっ子の西田さんを巡って、毎週 日本テレビと綱引きで大変でした。いついつ何時までにこちらの撮影を終えて、日本テレビにお渡しするのですが、TBS側は撮影に凝りすぎておしてしまうことがしばしばでした」と当時を振り返っています。
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そして、カルト人気の極みともいえるのが、「淋しいのはお前だけじゃない」(1982年)心優しきサラ金の取り立て人(西田敏行さん)が借金返済に困窮する人たちと「旅回り一座」を結成し、地獄を脱出していく人情ドラマでした。
この2年前の「港町純情シネマ」と同じく、異才 市川森一さんの脚本です。「港町」では劇中劇として映写技師の妄想として映画の名シーンが演じられましたが、「淋しいのはお前だけじゃない」では大衆演劇、剣劇の名場面が「下北沢スズナリ」で上演されました。
こちらの写真は「淋しいのはお前だけじゃない」の第四回、「土蜘蛛」のスズナリでのロケ地リハーサル写真です。
そして、最後に紹介するこちらの写真は、非常に貴重なシーン。
ドラマで多忙な上に「もしもピアノが弾けたなら」の大ヒットで1981年は「ザ・ベストテン」に10回出演している西田さん。
1981年9月3日の本番前、最後のランスルー(リハーサル)での一コマをTBS美術部(写真班)が撮影・保存していました。
リハーサルゆえに、西田さんはビーチサンダルによれよれのパンツ姿。本番ではサテンのカッコ良いシャツにウエスタンブーツ、テンガロンハット姿で登場していました。ちなみにこの日の「もしもピアノが弾けたなら」は9位でした。
西田さんが登場した際「池中玄太は80キロですが、現在の西田さんの体重は81キロだそうです」との紹介コメント。黒柳徹子さんはNY出張中で久米宏さんは夏休みだったため、この日の司会は生島ヒロシさんでした。
TBSに残る、西田敏行さんの記録。 時事報道「エンタメDIG」として、ここに追悼掲載させて頂きます。
【担当:芸能情報ステーション】
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