日本を代表する美術評論家で東京大名誉教授の高階秀爾(たかしな・しゅうじ)さんが17日、心不全のため亡くなった。92歳。葬儀は近親者で営んだ。
東京都生まれ。東大大学院在学中の1954年、フランス政府招へい給費留学生として渡仏し、パリ大学付属美術研究所及びルーブル学院で西洋近代美術史を専攻した。帰国した59年、東京・上野公園に開館したばかりの国立西洋美術館の研究員(学芸員)となり、展覧会などを手がけた。71年、母校・東大の教員に転身し、主にイタリア・ルネサンスからフランス近代の西洋美術の研究や評論に取り組み、後進の育成にも力を注いだ。
日本における洋画黎明(れいめい)期の画家、高橋由一らによる日本近代絵画についても西洋美術受容の視点から考察し、著書などで成果を披露。戦後の美術史研究に大きな影響を与えた。
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