主人公は理不尽なリストラに遭い、地元の兵庫県尼崎市へ戻ってくる。主人公の父の信条は「人生に起こることは何でも楽しまな」。傷心の娘を「祝リストラ」の横断幕で迎え入れる陽気さは、周りから愛される。

 そんな父が突然、娘より19歳も若い20歳の女性と結婚する。家族だんらんにこだわる継母と反発する娘とのやりとりは、シリアスなはずなのに面白い。そんな2人の関係もある悲劇により変化していく。

 尼崎市には、海抜0メートル地点を守る通称「尼ロック」と呼ばれる尼崎閘門(こうもん)がある。「尼ロック」には治水だけでなく、運河と海をつなぐ役割もあるそう。父が「尼ロック」として、家族を守り、2人をつなぐ役割を果たしていく。関西らしい笑いあるやりとりも秀逸。まだ4月だが、今年一番笑った映画だ。(DX推進部・屋良朝輝)

◇ミハマで上映中。パレットで5月3日から

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