“DIYの聖地”である新潟県三条市に新たな巡礼スポットが誕生した。同市は、同市内がメインロケ地となったテレビドラマ「DIY!!―どぅー・いっと・ゆあせるふ―」の作中に登場した「DIY部」の部室のセットを復元し、4月20日から一般公開を開始した。セットが設置された一ノ木戸商店街(同市仲之町)では記念セレモニーやトークイベントがあり、県内外から集まったファンとともに様子を取材した。【神崎修一】
ドラマは「ものづくりのまち」である三条市を舞台に、自らの力で家具などを制作するDIYの魅力や、創意工夫しながら人生を切り開いていく女子高生たちの日常を描いた作品。オリジナルアニメがドラマ化され、県内では2023年7月から新潟放送(BSN)で放送された。
初日は部室のセット内部が特別に公開され、ファンらとともに見学の列に並んだ。少し古ぼけた雰囲気の部室の中に入ると、壁いっぱいにペンチやドライバーなど工具が並んでいた。部員たちの名札や「スキー板ベンチ」の設計図なども飾られ、ドラマの世界観を堪能することができた。吉野主(まもる)監督は「ほとんどがこの部室での撮影だった。出演者が実際に作業するため、(撮影が)うまくいかないことが何度もあった」と振り返った。
部室のセットはマルモ建設(同市上保内)が制作し、撮影期間中は市立下田(しただ)中学校(同市笹岡)に置かれていた。終了後は解体され同社に保管されたが、制作会社から寄贈を受けた三条市が「(ゆかりの地をファンが訪ねる)聖地巡礼の目玉にしたい」と復元し、一般公開を決めた。12月上旬まで設置予定で、外観は自由に見学できるが、内部を見られるのはイベント開催時などに限られるという。
セットを出て商店街を歩くと、原作アニメのキャラクターボードがあちこちの店頭に置かれていることに驚かされる。ファンが交流できる拠点も設けられ、商店街で買い物すればグッズがもらえるスタンプラリーも9月末まで開催中だ。同商店街の星野健司理事長は「以前は年配の女性客が多かったが、最近は男性が多く商店街を歩くようになり、驚いている。物語が商店街に幸せを運び込んでくれた」と喜ぶ。
三条市では官民挙げて「聖地化」の取り組みを続ける。6月の三条凧(いか)合戦にはアニメ声優6人が参加することが決まった。滝沢亮市長は「作品が愛されていることに驚いている。これからもみなさんと一緒に盛り上げたい」と力を込めた。
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