「のれん道」中村新氏 提供:有限会社中むら
<日本では身近な存在である暖簾だが、その文化的背景はあまり知られていない...。世界共通語「Noren」を目指してオウンドメディアが始動>
国内外の和食店などの店先に掲げられる「暖簾(のれん)」は、店の顔として象徴的な日本独自の文化だ。近年は和の空間に留まらず、世界のホテルやショップなどにも用いられ、そのニーズは高まっており、日本らしい演出からモダンな空間装飾まで、その機能性に注目が集まっている。
長い歴史の中で、日本の生活に溶け込んできた暖簾を「日本人特有の『間』の感覚を体現した建具」と述べるのは、数多くの暖簾製作に携わってきた中村新氏だ。
「暖簾をくぐる」という行為に見られるように、そこには他者への敬意や時空間を隔てる役割を担うなど、お店の象徴/シンボルや埃よけ、間仕切りとしての実用面だけを担っているわけではない。
しかし、その文化的背景にある美意識や時間・空間に対する独特の考え方は、身近な存在として暖簾に親しんできた日本人の間でも十分に理解されているとは言い難い。
そこで、その深い魅力と可能性を広く伝え、暖簾の魅力を発信するメディア「のれん道」がこの11月にローンチされた。「のれん道」では、以下のような多彩なコンテンツを展開している。
•テーマ別記事 日本国内外の文化を比較し、さまざまな視点から暖簾文化を探究
•暖簾蒐集 浮世絵や古文献に描かれた暖簾資料を収集し、時代背景や用途を詳しく解説
•暖簾考 各分野の専門家と対談し、暖簾文化の深層を再考
「今後は、記事コンテンツの充実はもちろんのこと、他媒体やクリエイターたちとのコラボレーションを積極的に行なうことで、のれん文化を世界に広めていく予定です」と中村氏。「Noren」が世界中で通じる共通語になることが目標だと意気込む。
単に日本の伝統文化として保存するのではなく、現代的な視点で再評価し、新たな文化を生み出す発信地となる...。国内外の多様な文化が交わる交差点としての役割を担い、「暖簾/Noren」に新たな息を吹き込む「のれん道」に国内外から大きな注目が集まっている。
●「のれん道」公式サイトはこちらから
中村新(Shin Nakamura)
「有限会社中むら」代表取締役。1986年東京⽣まれ。⼤学を卒業後、2008年に伊藤忠エネクス株式会社へ⼊社。⽯油製品の営業を経て独⽴、2014年に廃業していた家業の「中むら」を再稼働させ、のれん事業を⽴ち上げる。以後、国内外の様々な施設や空間へののれんを製作・プロデュースしている。⻁屋・東京ミッドタウン店、⽇本橋⼤のれん(コレド室町・三井タワー等)、星野リゾートの温泉旅館「界 秋保」、ミラノ万博サローネ会場など多数の暖簾製作に携わっている。
有限会社中むら
1923年に着物のメンテナンスを請け負う悉皆(しっかい)屋として創業し、2014年よりのれん事業を展開。以降は暖簾の製作・デザイン・プロデュース事業を通じて、⽇本の優れた技を提案している。「有限会社中むら」ホームページ。
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