「世界で最もセクシーな男性」に選ばれたジョン・クラシンスキー(1月14日、米サンタモニカ) Featureflash Photo Agency-Shutterstock

<「ジョンは好きだけど最もセクシーな男?」とピープル誌編集部の選出基準が論争の的に。「他にもっと選ばれるべき候補が大勢いる」とネットの声>

米娯楽誌ピープルが11月12日に恒例の「世界で最もセクシーな男性」を発表し、2018年公開の『クワイエット・プレイス』で主演・監督・共同脚本を務めたジョン・クラシンスキーが選ばれた。同誌は1985年から毎年、世界で存命する最もセクシーな男性1人を発表しており、これまでブラッド・ピットやジョニー・デップ、ジョージ・クルーニーら錚々たるスターが選ばれている。

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ジョンは、映画『ジャック・ライアン』シリーズやドラマ『ジ・オフィス』に出演して人気を博し、プライベートでは2010年に女優エミリー・ブラントと結婚して2児の父親でもある。コメディからドラマ、アクションまで幅広い役柄を演じ、監督としての才能も発揮するなどマルチな活躍が高く評価されている。

しかし、ネットでは「予想外で驚いた」「キュートだけど、セクシー?」など選出基準に疑問を呈する声が多く寄せられ、「本当にセクシーな男にふさわしいのか」という議論が巻き起こっている。

ジョン本人は、自身が選ばれたと知った瞬間について、「頭が真っ白になった。記憶が飛んだ」「いたずらかと思った」と振り返っているが、ファンの一般投票ではなく、編集部が独自に選考を行っていることから非常に主観的な選出が論争の的となっている。

今年多くの人が推していたのは、『トップガン:マーヴェリック』で大ブレイクしたグレン・パウエルだった。昨年はシドニー・スウィニーと共演した『恋するプリテンダー』やセクシーなベッドシーンが話題を呼んだ『ヒットマン』に出演。今年も竜巻の恐怖を描いた大作『ツイスターズ』に出演するなど今最も旬な俳優だけに、「奪われた」「グレンに正義を」「グレンがこの世で最もセクシーな男ではないってどういうこと?」など落選を嘆くファンが続出した。

他にも15日公開の映画『グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声』に主演するポール・メスカルや、カルバン・クラインの下着広告がセクシーすぎると大バズりした俳優ジェレミー・アレン・ホワイトの名前をあげるユーザーもおり、「ジョンは好きだけど、最もセクシーな男?他にもっと選ばれるべき候補が大勢いる」「選考委員と話しがしたい」「選ばれるためにお金を払った?」など、非難に晒されている。

今年の発表は、CBSのトーク番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』の中で行われ、司会を務めるスティーヴン・コルベアが自身が選ばれなかったことを嘆く中、ジョンが颯爽と登場して慰めるというコントを演じた。

80年代の衣装に身を包んだジョンが「セクシーな男性」になるための秘訣を伝授するビデオにも登場するなど、ユーモアたっぷりの発表だっただけに、「面白い男が、最もセクシーな男だということにようやく気づいた」と擁護する声もあった。

多様性が求められる現代において、ある人にとっては「セクシー」だが、別の人にとってはそうでない可能性もあり、恥ずかしく感じる人もいるとの指摘もある。かつてのような重みを持たなくなっているとの意見もあり、グレンが選出を辞退した可能性も一部メディアで取り沙汰されている。ファンの間でも、辞退したことを称賛する声もあり、受賞は名誉なのかを巡っても賛否を呼んでいる。

[筆者]
千歳香奈子
北海道・札幌市出身。1992年に渡米し、カリフォルニア州サンタモニカ大学で写真を学ぶ。96年アトランタ五輪の取材アシスタントとして日刊スポーツ新聞社アトランタ支局に勤務。ロサンゼルス支局、東京本社勤務を経て99年よりロサンゼルスを拠点にハリウッドスターら著名人へのインタビューや映画、エンターテイメント情報等を取材、執筆している。日刊スポーツ新聞のサイトにてハリウッド情報や西海岸のトレンドを発信するコラムも寄稿中。著書に『ハリウッド・セレブ』(学研新書)。


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